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2006.03.29
細野さんの立教大学での公開講演レビュー
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先日の予告どおり、細野さんの講演言ってきました。
当日の講演会は、細野さんのプロフィールを振り返りながら、いろんないい話が挿入されました。
中でも、すばらしいのはバッファロー・スプリングフィールドのレコードが入荷した際の話。
家にいた細野さんのところに大瀧さんから電話があったそうです。
「バッファロー・スプリングフィールドのアルバムが新宿に入荷した。おれがキープしているから、すぐに来い」
今みたいに簡単に海外の音楽が入ってくる時代ではないですから、新譜という舶来品はそれなりに貴重なものだったわけです。細野さんがあわてて、レコード屋 に向かい、現場に到着すると、ホントに棚の前でレコードを見張っている大瀧さんがいたそうです。しかも、大瀧さんはバッファロー・スプリングフィールドは そんな好きじゃなかったらしいw。
あ、そうだそうだ。YMO時代に電話がかかってきて、寺内タケシさんに「おれに次ぐインストバンドだ!」ってほめられたそうです。うーん、これもいい話。
細野さんという人は、なにかとなにかを混ぜる人だというのが一般的な評価になるかと思います。なので、立教の先生からもそんな感じの質問がありました。
「細野さんというと編集する人という感じがあるんですが、編集ということについてはどう考えてますか?」
「伝統音楽は遊べないし、ひとつのジャンルにはまりきることはできない。編集しようという気持ちはほとんどなくて、ただ遊びたいだけ。あと、標本化には全く興味がない。」
個人的には、細野さんによる細野通信だと思っていて「細野さんが今はこれがいちばん面白いと思う」ということを音楽で伝えてくれる、それが細野音楽だと思います。
で!
問題はそのときの聴衆の反応。なぜか、笑うんだよなあ。それも楽しいーー!!って感じではなくて、なんというかホントに笑っている感じ。あちゃらか音楽をホントにそのまんま笑っている感じですな。
そんなわけで、細野さんの話のトーンはそこから明らかにダウン。
カリプソや90年代のことや奉納演奏などについて、軽く話した後、公開リハーサルという演奏に突入しました。それを全部やっても、まだ時間が余ってしまってので、そこから、少し音楽のマジックという話に展開していきました。
- これと指し示せないのがマジックのマジックたる所以である
- 印象的な夢を見たときに、覚えておきたいと思うが、キーワードなんかを記憶してもダメで、結局全体像を丸ごと記憶するしかない
- これといい音楽を聴いたときの気分というのがそっくりだ
- メロディだけではダメで、響きそのものが大事
- そして、レコーディングはホントの音楽ではない
- どうやら、ここに音楽のマジックの秘密があるらしい
誤解を受けそうなのでフォローすると、ホントでないところに秘密があって、極論するとホントでないから素晴らしい(というと言い過ぎなんだけど)という意 味なんですね。それは、子供の頃、グレン・ミラーのレコードをずっと聞いていて、はじめてグレン・ミラーの生演奏を聞いたときにあまりにもレンジが広すぎ て、これは何か違うと思ったという経験からきているそうです。単に耳慣れないということではないということですね。
その後、マルチという言葉が音楽から発生したこと、分離がよくなかったことの功罪などにも触れつつ、最後に音を固まりとして捉えることを繰り返していました。
要するに遊んでいればいいのね!わかった!っていうのが、私の収穫でした。
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投稿:by いしたにまさき 2006 03 29 08:52 PM [音楽] | 固定リンク
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