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2006.09.20
タイのクーデター、軍「首都制圧」で首相は非常事態宣言だけど、実は日本から想像するほどの大事ではないということ
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タイでクーデターが起きました(つーか何回目?)。
リンク: Yahoo!ニュース
- 毎日新聞 - <タイ>クーデター、軍「首都制圧」 首相は非常事態宣言
国連総会出席のためニューヨークに滞在しているタイのタクシン首相はタイ時間の19日午後10時(日本時間20日午前0時)すぎから、タイ国内のテレビを通じ、非常事態宣言を発表した。しかし、首相に反対する部隊は首相府やテレビ局を占拠し、バンコク市内の制圧を発表した。
これだけ、日本人の軍と首相に対する意識で見ると、ものすごいことが起きているように思いますが、実はそうでもないそうです。
これはタイに駐在したことのある人から聞いたことです。タイでいちばん偉いのはとにかく国王です。で、その次が僧侶、そして首相、軍と続きます。
もう一度書きます。
- 国王
- 僧侶
- 首相
- 軍
この順番です。つまり、首相と軍の争いというのは、3番目と4番目の争いなんですね。
という視点でこのニュースをもう一度見ると、いちばん大事な場所はすっと浮かび上がってきます。
タイの憲法規定では、国王が三軍を統帥しており、プミポン国王の意向が国軍の方針を決める大きなかぎを握りそうだ
ほら、こういうことなわけです。肝心なことは1番偉い人が決めるんです。
なお、プミポン国王は仏教国であるタイで仏教的にも最高の地位にいる人です が、その国王の乗っているクリーム色のベンツ(バンコクで目撃したことありますが、すげーかっこいいです)のボンネットには、ベンツのスリーポインテッド スターではなく、ガルーダがついています。
ガルーダはシバ神ではなくヴィシュヌ神の乗り物です。
(シバは破壊、ヴィシュヌは維持者、※コメントで間違いを指摘してもらって訂正しました)
つまり、プミポン国王はシバ神ではなくヴィシュヌ神(正確に言うと何番目かの生まれ変わり)ということでもあるわけです。
リンク: ヴィシュヌ - Wikipedia.
ヴィシュヌは、アヴァターラと呼ばれる10の姿に変身して地上に現れるとされる。これは、偉大な仕事をした人物を「ヴィシュヌの生まれ変わり」として信仰に取り込む為の手段であったと考えられる。よく「化身」と訳されるが、インカネーションとは意味合いが異なる。「権化」「権現」「化現」を使った方が正しい。
ということで、無敵のプミポン国王とその僧侶がいる限り、日本で想像するほどの大騒ぎではないのです。そりゃ、もちろん軍隊出てますから、大変なことではありますが、正味のクーデターと考えるのは早計だと言うことです。
ヒンドウー教が一般的な宗教観からすると、いかにとんでもないかはそれはそれ、また別の話です。
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投稿:by いしたにまさき 2006 09 20 04:13 AM [旅行・地域] | 固定リンク
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» クーデターが支持されているみたい? from 頑張れ中小企業
不思議です。でも、なんとなく理解できます。
タクシン政権を崩壊させたクーデターについて、
ラチャパット大学スワン・ドゥシット校の世論調査で、
国民の8割以上が支持していることが判ったそうです。
改めて民主... 続きを読む
受信: Sep 28, 2006, 2:15:10 PM