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2007.05.21
Web2.0に対する揺り戻し:ウェブがわかる本編
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私がネットに触れた頃は、まだ世の中にレンタルサーバというものもほとんどなく、OCNもまだなく(あの頃NTTはプロバイダーやらないなんて言っていたのだ)、解説書もオライリーぐらいしかなくて、でも3ヶ月ぐらいで知識ゼロのところからサーバ組んで、当時の会社の全社員にメールアドレスを発行しないといけなかったりした。
ということで、DNSの設定で「.」が足りなくて涙出そうになったりしたとかいうのは、どうでもいい昔話でしかないのだが、それでも当時そういう経験をしたのはよかったと思ってます。
ブラックボックスがあるのは、どこの世界にもあるわけで、その中身を全部知っておく必要はないのですが、ロジックは知っておいた方がいいものもあります。というか、ロジックを知らないと目先のことで判断を見誤ることになってしまったりします。
はてブとかYoutubeとかflickrとか使ってて、そういうロジックを知っていることが判断としていい方向に向かうこともあると思う訳です。で、そういう本ってありそうでなかったと思ってます。
でで、そういう基本的なところから現在までをざざっと見渡す本が出ました。しかもエンジニアの手によって。
リンク: 「ウェブがわかる本」を買いました。
で、このエンジニアの方は研究者であったりもするわけで、この本でいちばんすばらしいパートは、その研究者としての側面が強く出ています。
【第4章 ウェブを使ってレポートを書こう】

まずは検索をして、そこからテーマを絞り込んで、題材を選定し、どこを深堀していくかの行程がつぶさに描かれています(この章だけカラーページあり)。
大向さんやっぱりすばらしいなあ、これを今読める中学生とか高校生は幸せだわ。これでWikipediaをコピペとかのレポートはまちがいなく減るでしょう。だって、こっちの方が面白いもん。
さてさて、「ウェブがなかったら?」ではじまり、「ウェブとのつきあうために」で終わるこの本は、私の様なおっさんではなく、おそらく物心ついたときにはウェブがあった世代に向けて書かれています。
既にあるということは、もはや風景になっているわけで、一度立ち戻って考えてみることはいい気づきをもたらしてくれることになるでしょう。
そして、もちろん一度立ち戻ることはWeb2.0ブームのさなかにいるおっさんにももちろん有効です。
本の終盤で大向さんは情報の信頼性と合わせて、もうひとつ「それは誰のための情報か?」という視点を提示しています。で、そのことを常になんとなく考えているというのがいわゆる「空気を読む」ということなのでしょうし、ウェブと付き合う際のセンスのありなしなのではないかと思ったりしたのでした。
それにしてもいい本だ。ロングセラーになるといいなあ。
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投稿:by いしたにまさき 2007 05 21 07:43 AM [書籍・雑誌] | 固定リンク
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