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2007.08.01
涼宮ハルヒにおける極めて自覚的なYouTubeマーケティング
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涼宮ハルヒの2期のスタートが新聞先行で発表されてから、少し日数が経ちました。
発表された日が七夕であったり、既に「涼宮ハルヒの消失 予告編」なんていうものまで作られているように、当然消失だよねというムードになっていることを後押しするようなものになっていたこと以外には、大きな動きがないように見えます。
さて、この七夕の日に起きたことは概ね以下のようになります。
リンク: 「涼宮ハルヒの憂鬱」アニメ第二期決定、朝日新聞に全面広告 : 小心者の杖日記.
追記:さて、新聞広告を受けて七夕の夜に公式サイトで公開されたのは、約23分の実写映像。学校の監視カメラの映像という設定(だとしてもカメラが設置されすぎ)で、「涼宮ハルヒの退屈」(→amazon.co.jp)の「笹の葉ラプソディ」を実写化したものでした。原作を読んでないと意味がわからないような映像を堂々と流すのがいかにもですね。
まあ、でもここまではいかにもでハルヒ1期の延長線上にあるものです。
リンク: 涼宮ハルヒの東中学監視カメラ動画の記念キャプチャー - webdog.
いまさらYouTubeマーケティングでもないからね。
この意見はすごく正しいんだけど、正しくない部分もあるということをきっちり言うためには、どうすべかーと思っていました。
そしたら、7月26日に「ああ、やっぱり全部わかってらっしゃるのねえ!」というリリースとニュースが流れました。
リリースリンク: :: KADOKAWA DIGIX [ニュースリリース] ::.
2007年7月26日(木)、株式会社角川デジックス(以下当社)は、人気動画共有サイト「YouTube」が開発中の動画識別技術の実証実験に参加することを発表いたしました。
ニュースリンク: ◎「ハルヒ」「らき☆すた」を抱える角川グループ、YouTubeの動画識別実験に日本から初参加.
YouTube 日本版が6月に開始される前から、角川グループが著作権を所有する「涼宮ハルヒ」、「らき☆すた」などのアニメコンテンツや映画など約15万の動画ファイ ルが、YouTubeで閲覧可能な状態にあった。しかし、それらが非常に多くの閲覧数を獲得していたことから、角川グループではその管理方法について検討 を重ねてきたという。
ここで話を少し前に戻します。ハルヒ放映終了後、「らき☆すた」という作品が、これも京都アニメーションの手によって制作されました。YouTubeやニコニコ動画(こっちがいまや主戦場)でいわゆるMADにとどまらないユーザーの手による動画が次々にアップされていきました。その中でも、ある極地に達した感の動画がアップされました。『はる☆すた』です。
この動画というよりも作品は、1個人の手によるもので、恐ろしいことにすべて手書きです。そして、この作品を見たときに、私は「涼宮ハルヒ」と「らき☆すた」の関係にようやく合点がいったのです。
らき☆すたのオープニングが話題になったときに、涼宮ハルヒのオープニングを見たことがある人であれば、誰しも気づいたことであろうことがあります。
- なんか似てるね
これをらき☆すたが始まった頃には、この似ているということを、私は「これが京アニのテイストなんだなあ」と納得させていました。
で、冷静になって考えてみると、京都アニメーションぐらいのスタジオであれば、全く違うテイストのものなんて作れるはずなんですよ。
- つまり手抜き?
そんなはずはないわけです。だとすると、これは意図的にテイストを似せたと考えるのが自然です(もちろん、らき☆すたという作品がそもそも実にメタな作品であることも同時考えて必要があります)。
らき☆すたスタート時に角川サイドで話し合いがされていないわけがないわけで、その席では、恐らく予想以上の人気を受けて「涼宮ハルヒの2期をやる」ということだけは決まっていたはずです。
では、その席で話し合われたことはもう1つしかないわけで、コンテンツとしての涼宮ハルヒの延命しかないわけです。
なぜなら、あのハルヒ1期の続編ですから、制作には時間がかかるわけで、時間稼ぎが必要だからです。
そう考えていくとこんな風になると思います。
意図的に涼宮ハルヒと同じテイストを「らき☆すた」のオープニングに混ぜることで、いじりやすい素材としての「らき☆すた」をユーザーに提供し、涼宮ハルヒの延命を図る。
- つまり「らき☆すた」のオープニングは手抜きじゃない
そう考えると平野綾というハルヒの看板声優をひきつづき「らき☆すた」で起用するのも、至極当然になるわけです。
【追記、声優メモ】
他の声優もかぶりまくりでした。
平野 綾
涼宮ハルヒの憂鬱(涼宮ハルヒ)
らき☆すた(泉こなた、平野綾(本人役))
茅原 実里
涼宮ハルヒの憂鬱 (長門有希)
らき☆すた (岩崎みなみ、茅原みのり(本人役)、長門店員)
杉田 智和
涼宮ハルヒの憂鬱(キョン)
らき☆すた(杉田店員)
松岡 由貴
涼宮ハルヒの憂鬱(鶴屋さん)
らき☆すた(桜庭ひかる)
白石 稔
涼宮ハルヒの憂鬱(谷口)
らき☆すた(白石みのる[1][2]、他男性キャラ多数)
こぶし のぶゆき
涼宮ハルヒの憂鬱(コンピ研部長)
らき☆すた(成実きよたか)
さて、ではなぜこういう戦略を取ることになったのかというと、それはもうYouTubeそのものの変化と関係があるわけです。
今のYouTubeはハルヒ第一期とは違うものになっています。最大の違いはなにかというと、そう!10分という視聴時間の制限。
その完成度のせいのおかげで、ハルヒのコンテンツの中でYouTubeでもっとも消費されているのは、エンディン グ(とオープニング)です。つまり、ひっくりかえせば、10分という制限があってもオープニングとエンディングさえあれば、YouTubeで作品は充分に流通するということです。それを京アニスタッフも角川のスタッフも熟知しているというか、肌をもって体感したのでしょう。
すっかり長くなりましたけど、これが前述のリリースの意味するものだったということです。
リリースリンク: :: KADOKAWA DIGIX [ニュースリリース] ::.
2007年7月26日(木)、株式会社角川デジックス(以下当社)は、人気動画共有サイト「YouTube」が開発中の動画識別技術の実証実験に参加することを発表いたしました。
「肌で感じたものを、ちゃんと数字で追いかけることができる」いい時代になったものです。
さて、このマーケティングが成功しているかどうかについては、私だけが知っている証拠があります。
1期スタート1ヶ月後ぐらいに書いた涼宮ハルヒに関するエントリーがあるのですが、このエントリーには、1年以上前に書いたエントリーでありながら、未だに月に1万以上のPVがあるのです。これを延命の成功と言わずして、なにを成功と言いますか?
参考までに、Google Trendのグラフを添付しておきます。
ほら、ハルヒ(らき☆すたも)ホントすごい。
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投稿:by いしたにまさき 2007 08 01 03:10 AM [涼宮ハルヒの憂鬱] | 固定リンク
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