みたいもん

トップ > 音楽 > 岡村ちゃんにないプリンスのライフハック術

いしたにまさきの新刊:HONDA、もうひとつのテクノロジー ~インターナビ×ビッグデータ×IoT×震災~ 01 それはメッカコンパスから始まったHonda、もうひとつのテクノロジー 02 ~インターナビ×GPS×ラウンドアバウト~ 運転する人をサポートすることHonda、もうひとつのテクノロジー 03 ~インターナビ×災害情報×グッドデザイン大賞~ 通行実績情報マップがライフラインになった日

HONDA、もうひとつのテクノロジー ~インターナビ×ビッグデータ×IoT×震災~ 01 それはメッカコンパスから始まった (カドカワ・ミニッツブック) Honda、もうひとつのテクノロジー 02 ~インターナビ×GPS×ラウンドアバウト~ 運転する人をサポートすること<「HONDA、もうひとつのテクノロジー」シリーズ> (カドカワ・ミニッツブック) Honda、もうひとつのテクノロジー 03 ~インターナビ×災害情報×グッドデザイン大賞~ 通行実績情報マップがライフラインになった日<「HONDA、もうひとつのテクノロジー」シリーズ> (カドカワ・ミニッツブック)

2008.02.12

岡村ちゃんにないプリンスのライフハック術




Clip to Evernote

このエントリーをはてなブックマークに追加

ちょうど本来であれば、2月14日に岡村靖幸のライブに行くはずだったメンツとちょうど食事をする機会があり、岡村ちゃんはなんでああなってしまったのかねえという話になりました。

色んな話が出たのですが、私は『家庭教師』が発売された辺りから、こりゃやばいかもしれないなあと思っていたことを話しました。

家庭教師』は、岡村靖幸の今のところの最高傑作であり、今後もそうであり続ける可能性の高いアルバムです。

家庭教師
家庭教師

こういうメーターの振り切ったアルバムが出てしまうということは、それは音楽キャリアが充実していることの証拠でもあるのですが、次のアルバムにはそれ以上のものを求められるという恐怖との戦いとの開始でもあります。

これがバンドであった場合は、「やっぱ、あれ以上は無理だった!解散!」とかいうことになって、無事に終了するわけですが、ソロアーティストの場合は、「解散」というわけにはいきません。

特に岡村靖幸の様に、自分で作詞作曲し、それをまた自分で歌い、あまつさえ基本的に楽器はなんでもできてしまうミュージシャンの場合は、事態はいっそう深刻です。

なぜなら、『家庭教師』のようなアルバムを出してしまった後というのは、要するに自分から出せるものは全部出し切ってしまった後であり、自己完結度の高さが出し切ってしまった後には、自己完結度が高ければ高いほど、次の一手はすべて自分だけに降り掛かってくるからです。実際、岡村ちゃん、『家庭教師』以降は、アルバム発表のペースが数年に1枚程度のペースにガタ落ちしています。

では、そこから逃れる手はないのかというと、ちゃんとあって、それは自分の外部から刺激を受けるということです。

で、殿下ことプリンスは、そういった意味でのミュージシャンとしての処世術がとてもうまい。しかも、完全に計算してやっているわけじゃない辺りが、さらにうまい。つーか、ニクい。

プリンスの経歴を見ると、それなりにトラブルを多く抱えていることがわかります。そして、処世術として、「外部から刺激をうまく受けている」という例をプリンスの経歴からひも解くと、大きく分けて、3つあります。

1つ目は、外のミュージシャンとの交流。外からの刺激という意味で、ミュージシャンにとって、これほどダイレクトなものはありませんからね。

リンク: プリンス (ミュージシャン) - Wikipedia.

1980年代を通じてプリンスのバックバンドとしてレヴォリューションが、1990年代からはニュー・パワー・ジェネレイションが存在する。プリンスは魅力ある女性を積極的に登用することでも知られ、シーナ・イーストン、キム・ベイシンガーやカルメン・エレクトラなどが挙げられる。その一方でマイルス・デイヴィスやジョージ・クリントン、ラリー・グラハム、メイシオ・パーカー といった著名なジャズやファンク系のミュージシャンとのセッションを行っている。また、マドンナ、アーニー・ディフランコ、グウェン・ステファニー や チャックDともレコーディングを行っている。

2つ目は、プロデュース業。プロデュースには色んな形態がありますが、プリンスの場合、基本は自分でアルバムを作るのとほぼ同じ(自分が歌わないだけ)。しかも、自分の名前を隠します。つまり、自分の別プロジェクトという位置づけなんでしょうね。

リンク: プリンス (ミュージシャン) - Wikipedia.

プリンスはなぜかプロデューサー業をペンネームで行うことが多い。ただし、プロデュースというのは名ばかりで、実際には作詞作曲演奏のすべてを行っている。この他にもヴァニティ6(アポロニア6)、シーラ E.などをプロデュースし、プロデューサーとしてもその非凡さを証明する。

で、最後の3つ目は、ズバリ自分の「名前」騒動。

リンク: プリンス (ミュージシャン) - Wikipedia.

その際にプリンスはその名を捨てる。前作アルバムのタイトルであるシンボルを自らの名とした。このシンボルは、男性(♂)と女性(♀)を融合させたもので、錬金術の記号にルーツを持つという。しかしプリンスはこのシンボルに対しての読み方を特に決めなかったため、彼の名前を音声で伝えることが不可能になった。結局ラジオDJなどはシンボルマークを指して、「元プリンス」(the Artist Formerly Known As Prince=かつてプリンスと呼ばれたアーティスト、かつてプリンスとして知られたアーティスト)と呼んだ。さらに略して単に「アーティスト」(The Artist)とも呼んた。

この時期というのは、ワーナーとの(破格な)契約の問題で、アーティストとしてのプリンスとしては、キャリア最大の危機の時期。その時期をプリンスは、自分の名前を封印することで乗り切ったわけです。

ここで、わざわざ封印としているのは、当時はわからなかったことですが、ワーナーとの契約が切れた途端に名前を元のプリンスに戻しているからです。

リンク: プリンス (ミュージシャン) - Wikipedia.

2000年、ワーナー・ブラザーズ傘下の出版会社ワーナー・チャペルが管理する出版権が切れるのを機に、自分の名前を正式にプリンスに戻すと発表。 2001年、プリンス名義としては9年ぶりのオリジナルアルバム The Rainbow Children を発表。宗教的でスピリチャルな内容が海外では賛否両論を呼んだターニングポイントの作品。

ちょうど、私は、この『The Rainbow Children』発表直後のライブを見ています。

The Rainbow Children
The Rainbow Children

リンク: プリンス (ミュージシャン) - Wikipedia.

2002年 One Nite Alone Tour 11月15日 東京国際フォーラムホールA

これは、観客こそ少し少なかったものの、ホントにいいライブで、途中から宗教的なことをとつとつとしゃべるプリンスには、少しなんだかな?と思いはしたものの、それだけ、このライブツアーに至るまでの期間がハードだったのだろうと思ったりもしました。

そのハードさの表れが名前の封印ではなかったのではないでしょうか。なぜなら、自分の名前を封印するということは、その時期の自分の完全否定するということを意味していると思えるからです。

なお、プリンスのミュージシャンとしてのキャリアのピークはおそらく1987年です。

リンク: プリンス (ミュージシャン) - Wikipedia.

1987年には多くのファンが最高傑作として挙げることの多い、2枚組アルバム Sign "☮" the Times を発表する。

Sign 'O' the Times
Sign 'O' the Times
(私が考えが煮詰まったときに聞くのは、このアルバムです)

で、この『Sign 'O' the Times』の後に、例の名前騒動が起きているというのは、なんとも岡村ちゃんのキャリアと比較すると対照的です。

岡村ちゃんは、自分のキャリアのピーク後に、数枚程度しかアルバムを発表できていません。プリンスは、自分のキャリアのピーク後も、数々の騒動があったにもかかわらず、ほぼ年に1作というペースでアルバムを発表し続けています。

これは、もちろんプリンスの膨大な数の曲のストックのおかげもありますが(お蔵入りしている曲の数はとんでもないことになっているらしいですし)、曲があればアルバムが出せるほど、世の中甘くないわけです。

ただ、プリンスは、自分の外部からの刺激をうまく受けることで、うまいこと乗り切ってきたのではないかと思えるのです。

で、ホントはここで終わらせようとしたのですが、ちょうど今読んでいる『イノベーションの神話』にちょうどぴったりな一文があったので、それを最後に引用します。

一部の仕事中毒のイノベーターは、これを少しひねり、複数のプロジェクトを同時に実施し、一方のプロジェクト作業をもう一方のプロジェクト作業の息抜きにしています。エジソン、ダーウィン、ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ゴッホは定期的にプロジェクトを切り替えて、時には違った分野の作業を行うことでアイデアの交換を加速し、新たな発見に向けて心に種を蒔いていったのです。

イノベーションの神話
イノベーションの神話

« 最高のMacBook Air用ケースはプチ自作した | トップページ | MacBook Airに足りないものを一気に埋めるAudioHubガジェット »

投稿:by 2008 02 12 03:06 PM [音楽] | 固定リンク

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/12272/40081563

この記事へのトラックバック一覧です: 岡村ちゃんにないプリンスのライフハック術:

» 『プリンス』戦略の貴公子という評伝 from [mi]みたいもん!
なんだかひさしぶりにプリンスのことを考えてみたのですが、そんな私を狙っているかの 続きを読む

受信: Feb 21, 2008 11:02:28 AM

 
We are bloggers.