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2008.06.04
死んでもログは残り、ログは雄弁にわれわれに語りかける
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死んだものを語ってくれる人がいるというのは、幸福なことであると常々思ってきました。ただ、もちろんそれは基本的には、しっかり生きて、しっかり死んだ人の場合にはなるわけです。もちろん、これは今回亡くなった方がしっかりしてないとか、そういう意味じゃありません。
リンク: 川田亜子 オフィシャルブログ 『Ako's Style』 Powered by アメブロ.
ただ、なんとなくの雰囲気でしかないのですが、今回のある女子アナの自殺というのは、おそらく本人が想像しているよりもはるかに大きな影響をまわりに与えているような気がしてなりません。実際、mixi日記でも彼女の死に関して、3000件以上の日記が書かれています。
そして、その影響が広がったことの最大の理由は、既にほぼ同業者の方のブログにしっかり記されています。
リンク: いろんな考えかたがあるからね|橋本志穂の部屋.
今回は、「こういう話は触れちゃいけないんだろうな・・」
という思いが先によぎりました。
でも、ずっとずっと気になって苦しくて
どうして、あんなにSOS出してるのに気付いてあげられなかったんだろう
どうして、どうしてどうして??と
自分の身内でもないのに、ずっと苦しくてー
この空気感。共感できるかどうかは別にして、当時、リアルタイムにブログを見ていた人がそう思うであろうことは、理解できます。
- 問題には気づいているのに、見ないふりをする
- 一歩、角を曲がるとそこは血でべっとりしている(『寄生獣』から引用)
- 牛は平気で食うのに、ウサギを食うことには抵抗がある
なんだか、わけがわかりませんが、個人的にはほぼ同じ意味です。で、そんなことはどうでもよくて!
前述のブログでは、アメブロのコメント欄への対応に関しても多くの言及がされています。
さらに、コメント欄でもアメブロのコメント欄への対応については、多くのログが残されており、亡くなった女子アナのブログに残されたコメント欄と合わせて考えると、芸能人という枠で考えるにはもったいないログが残されています。
そもそも、ブログにはその書き手によって、ふたつの動きが出てくると思っています。それは集約と拡散。
いわゆるアルファブロガーなどのブログの場合、コンテンツが拡散するのに対して、芸能人の(特にブレイク前の)ブログの場合、コンテンツは拡散する前に、エントリーへのコメントの多さに表れるように、コンテンツは集約していきます。
そういう意味では、アメブロの対応と戦略というのは、実に正しいと言えるのですが、問題はログというやっかいな代物です。
ログはその特性上、コンテンツの拡散という運命からほぼ逃れることはできません。その特性が何を意味して、どう作用しているのか、それはまだわかりません。
ただ、今回の女子アナの死がそのことについて、ある契機となるような予感はしています。
ログの怖さとログの幸福さ、そのどちらともつき合っていかなくてはいけない覚悟を決めなくてはいけないのだなあと個人的には再認識しました。
ということで、故人のご冥福を祈りつつ、このエントリーを終わりたいと思います。
【追記】 リンク: 川田亜子さん最後の出演番組は自殺テーマ - 芸能ニュース : nikkansports.com.
また、5月に入り、川田アナは自分のブログで再三、体調不良などを訴えていたが、自殺報道以降、800件以上のコメントが寄せられた。ただし、掲載された多くは「頑張って」「大好き」「あこがれてます」など追悼にはほど遠い、類似の言葉が並んだ。
同ブログを運営するサイバーエージェントでは、同社がコメントを操作したり自動書き込みしたことは否定。今回、追悼書き込みも含め、自殺関連のコメントは、衝撃の大きさからすべて削除する措置をとり27日未明以降、コメントの書き込みを停止した。類似コメントが並んだ件については「削除の結果、自殺に関連しないコメントだけが残ってしまった可能性は考えられる」とした。ただし、違和感のある状態に、同日夜までにすべてのコメントが削除された。川田アナが苦悩を打ち明けるほど大事にしたブログは、悲報とともに混乱した。
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投稿:by いしたにまさき 2008 06 04 08:41 AM [ロギングされる僕ら] | 固定リンク
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