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2008.06.12

『ケータイ小説的』が教えてくれる妄想のログとしてのケータイ小説




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この『ケータイ小説的』は、気鋭のライター速水健朗氏のこれまでのところの最高傑作。そう!ついに出ました!ぶっちぎりの最高傑作。

ケータイ小説については、いろいろ思うところがあって別途調べようとしていたんだけど、とりあえず調べないことにしました。

それは、もう『ケータイ小説的』がそれだけすばらしいからです。

ケータイ小説的。――“再ヤンキー化”時代の少女たち
ケータイ小説的。――“再ヤンキー化”時代の少女たち

1章の【「情景」のない世界】でケータイ小説が生まれてきた背景(コンテキスト)を押さえつつ、2章の【ケータイ小説におけるリアルとは何か?】でコンテンツに入り込んでいきます。

速水節が炸裂し出すというか、この『ケータイ小説的』のエンジンが俄然かかってくるのは、3章の【「東京」のない世界 ー ヤンキーの現在形】から(マジンガーZでいうと、ジェットスクランダー以降、ガンダムでいうとランバラル以降)。

以下、キーワード。

  • 風景の不在
  • 不幸自慢のインフレ
  • デートDV

特にデートDVに触れる辺りから、手法と目的のすり替え的な奇妙な動きがケータイというツールによって促進されているというくだりは、もう帰りの半蔵門線の中で読んでいてドキドキしてきてしまいましたね。

また、個人的にとても参考になった部分でいうと、自分でもなんとなく予感はあったんですが、ケータイ小説は、その小説ができあがる段階で、ネットのログを作者がかき集めているという部分(これかなり省略して表現しています)。

ただ、これはそもそも小説というものが、日本において成立する際に「他人の日記を元ネタとする作家がいっぱいいた」ということを知っていると、なお理解が進むと思います。

この「他人の日記を元ネタとする作家がいっぱいいた」ということについては、このブログでも何回も紹介していますが、とにかく猪瀬節炸裂の『ピカレスク―太宰治伝』が最高峰です。

ピカレスク―太宰治伝 (文春文庫 い 17-13)
ピカレスク―太宰治伝 (文春文庫 い 17-13)

ということで、いつかブロガーのログをベースにした小説ってのが出てくるとそれはそれで面白いのかなあとか思ったけど、たぶんそんなのつまんない。

でだ。

ケータイ小説が文学であるとかないとかってのは、やはりコンテキストとコンテンツを同じ文脈で語ろうとするからふざけたことになるわけで、そういう部分でも『ケータイ小説的』は至極真っ当なんです。

ということで、ここで一気に話が飛びますが、仮にケータイ小説が事実を元にしたフィクションであるならば、この『ケータイ小説的』は、批評を元にした文学であると言えるでしょう。

なぜなら、個人的には文学的であるとは、以下のことに他ならないからです。

  • 心をつかまれる感覚
  • つかまれるが故に日常風景に文学のエッセンスが立ち現れる

それにしても、ホントおもしろい。

いろんないじわるを文中や構成にしかけつつも、最後はド直球。いやあ、いいわ、この本。

やっぱり、他のブロガーが書いている本を見渡せば見渡すほど、速水さんあなたがいちばんおもしろい。

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投稿:by 2008 06 12 06:47 AM [ロギングされる僕ら, 書評] | 固定リンク

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