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2008.10.30
『次世代マーケティングプラットフォーム』は湯川さんによる"ロギングされる僕ら"
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『次世代マーケティングプラットフォーム』読了しました。
これは良い本です。なぜなら、ここに書かれているのは湯川さんの取材と、そしてそれに続く、数多くの講演で練りに練られた結果の本だからです。
(Photo by Old Camera)
情報はネットで取れる時代になって久しいですが、じゃあ取材に意味がないのかというと、実はますますそんなことにならなくなっています。
では、どういう取材に意味があるのかというと、取材の中で新しくテーマを再構成していく取材にこそ価値があるわけです。
もっと言うと、そういう取材でなければ取材に行く価値がないとも言えます。そして、その中で取得された一次情報だからこそ、大きな価値になるわけです。
『次世代マーケティングプラットフォーム』は端的に言うと「いつものひとがテレビからネットに変わる」という湯川さんからのメッセージです。
予言ではありません、あくまでもメッセージ。そして、そこが重要。
私がもっとも感銘を受けたフレーズは、取材ベースで書かれた5章までを受けて、湯川さんのメッセージとなる6章と7章にそれぞれ1カ所ずつありました。
ひとつは6章のこれ。
プライバシー問題は、いわば銀行預金と同じようなものである。
もうひとつは7章のこれ。
しかし突然ラブレターを送るよりも、何気ない場面でも会話を増やすことで親密度を増す戦略のほうが効果的なのである。
この例え方絶妙、絶品。絶対、どっかで使おうっと。
そして、ふたつの引用がなにを例えているのかというと、"ログ"というものなのです。
この『次世代マーケティングプラットフォーム』という本で湯川さんが繰り返し言い続けているテクノロジーと"ログ"は切っても切れないものだということです。
さて、「本」と「取材&講演」がうまく行くことは湯川さんのサンプルに限らず、有効です。
それを別のジャンルで表現するとこうなるわけです。
リンク: Going My Way: 複製できないものが価値を持つ時代.
僕はピーター・ガブリエルというアーティストが好きなのですが、ある時彼が「海賊版CDがケニアで出回っていますが、いいんですか?」と聞かれたとき、こう答えたそうです。
「いいことを聞いた。ケニアに行ってライブをしよう」
つまり複製が可能な時代には、複製できないものの価値が上がっていくわけです。
ブログに例えるとこうでしょうか?
- なに?PVが得意的に高い地域がある?
- よし講演に行こう!
ちと違うか!
で、冗談はこの辺にして!
以上、このエントリーは湯川さんに以下のようなことを書かれたから書いたわけではありません。
リンク: 湯川鶴章のIT潮流 powered by ココログ: Onedari Boys企画「ぐぅホルモンナイト」に行ってきました.
おいおい、こんなとこで居酒屋談義するくらいならブログに書いてくれよ、と本気で思った。
ということで、ネットにかかわるみなさんにおすすめできる本です。これは冗談ではないですよ。
【みたいもん!デジタルサイネージ】
▼次世代マーケティングプラットフォーム 広告とマスメディアの地位を奪うもの
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投稿:by いしたにまさき 2008 10 30 01:14 AM [ロギングされる僕ら書評デジタルサイネージ] | 固定リンク
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