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2009.04.13
展覧の構成に大満足!サントリーミュージアム天保山の「インシデンタル・アフェアーズ」
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サントリーミュージアム天保山で5月まで開催されている「インシデンタル・アフェアーズ」は、記憶が正しければサントリーミュージアム天保山ではじめて開催される現代美術の展覧会。

その内容を見たときから「行きたい!」と思っていたのですが、なんとか行くことができました。結論を先に言ってしまえば、わざわざ大阪まで行っただけのことはある展覧会でした。
リンク: インシデンタル・アフェアーズ うつろいゆく日常性の美学.
インシデンタル(incidental)とは、「偶発的な」と「とるに足りない」などの意味を持ちます。 日常生活の中で私たちを取り巻く物事は、刻一刻と変化しています。その変化や偶発性をうつろいゆく美として捉えることで、普段の何気ない事柄が新たな美意識として甦ります。
展示されている作品リストは以下のリンクから。
リンク: 「インシデンタル・アフェアーズ うつろいゆく日常性の美学」作家プロフィール.
私は2000年に開催された宮島達男展でメガデスを見ているので、勝手に持ち上がっていたのも、それはそれで事実ですが、なんとなく展覧会を見る前から、メインの展示は宮島達夫のメガデスなんじゃないかと思っていました。
で、それはやっぱり正解だったし、すべて見た今となっては、それはもうメインなんていうレベルじゃなかったんです。
会場に着くと、「インシデンタル・アフェアーズ」に参加している作家17人の名前とその名前から1文字だけ抜き取られたINCIDENTAL AFFAIRSの文字が来場者を迎えてくれます。

会場に入って飛び込んできたのは、いきなりティルマンス。
この展覧会にきた目的の半分がこれなので、もういきなり満足。でも、気になったことがあって、コの字型の3面に展示されているんです。これがなんとなくひっかかりつつも、他の展示へ。
展示は明確に明と暗の繰り返しで続いていきました。
暗い展示には理由があって、それは映像作品だから部屋を暗くしているということなのですが、明らかにわざわざ明と暗が繰り返す構成になっています。
で、さっきの話に戻るんですが、今回の展覧会のメインがメガデスだとすると、恐らく、ここが暗のピークになっているはずで、じゃあ明のピークもあるんだろうなあなんてことを考えながら、さらに次の展示へ。
そしたら、やっぱり明のピークが登場。
なぜ、ピークかとわかると言えば、このサントリーミュージアム天保山の施設的な理由でここにしか明のピークは作れないという場所に明の展示が設置されていたからです(なので、実はこの展覧会は昼間か夕方までに行った方がいいです)。
当然、次に暗のピークであるメガデスがくるはず。
そして、やはり階段を降りるとメガデス。10年ぶりの邂逅。やっぱり、メガデスすごい。
ああ!!
明暗が繰り返されてきた暗の展示において、はじめてのカラー作品です。ここまでの暗の展示=映像作品はすべてモノクロでした。これはなんて効果的なんだろうか。
で、ここでメガデスを実際に目にして、私は急に思い出したのです。そう、メガデスは明と暗で生と死を感じさせる作品なんです。
そう!
メガデスのテーマと展覧会の全体のテーマが入れ子構造になっていたわけです。これはすごいなあ、と同時にキュレーターのメガデスという作品への気持ちが伝わってきます。
そして、明ではじまった展示はカラーの暗の展示で終了しました。つまり、明と暗、モノクロとカラーが融合する形で、展覧会のラストは飾られたわけです。
さて、そういえば展覧会の最初にティルマンスが3面で飾られていたことも、展覧会をすべて見てみると、とても腑に落ちます。
絵画のおいて、3面とはトリプティックを意味します。トリプティックとは宗教画によく見られる構成です。かつての宗教画はその時代において、生活の一部であった宗教の中に生活の一部として偏在するものでした。そうインシデンタルです。
また、ルネサンスが宗教画の否定であったように、現代美術は宗教画の肯定、もしくは超克だと個人的には考えていて、その意味でも冒頭がトリプティックであるというのは、すごく気持ちのいい展示方法でした。
これだけ構成が見事であり、質量ともに豊富な「インシデンタル・アフェアーズ」を見て、現代美術が面白くないというのならそれはもうそれで仕方がないというレベルの展覧会だと思います。
少なくとも、大阪・関西在住のみなさんには足を運ばない理由がないと思います。

「インシデンタル・アフェアーズ」について、気になった方にはサントリーミュージアムのサイトに展覧会に関するコンテンツも多く用意されていますので、そちらもどうぞ。
リンク: 展覧会ミニ講座 ギャラリー サントリーミュージアム[天保山] サントリー.
中でも、展覧会が出来上がるまでの過程が綴られた以下のブログは記録という意味でも、価値のあるものなんじゃないかと思います。
リンク: 小吹隆文 アートのこぶ〆:「インシデンタル・アフェアーズ」ができるまで.
最後に、大阪天保山のサントリー美術館にくるのは、たぶんこれで数回目です。

この天保山の周りというのは、作られた環境で周囲にはあっさりこんな光景が残っています。

だからなに?と言われてしまうとそれまでなのですが、せっかく天保山に行ったら、ついでにそういった部分も見ると面白いんじゃないかと思います。
それにしても、これだけ満足度の高い展覧会、そうそうないなあ。ホントおすすめ。
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投稿:by いしたにまさき 2009 04 13 03:12 PM [文化・芸術サントリー美術館] | 固定リンク
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