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2009.05.18
富野由悠季と中村勇吾の対談、もの作りとオリジナルとは?
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富野由悠季と中村勇吾の対談が行われると聞いて、METHODというカンファレンスに参加してきました。
リンク: PUBLIC/IMAGE.METHOD.
このカンファレンスの大トリが御大・富野由悠季と中村勇吾の対談だったわけです。

90分という長丁場、どうなるのかなあと思ったけど、そこはさすが富野さん。しびれる話がいくつも飛び出しました。

まずは心に残ったフレーズを2つ。
- 5人集まったら3人は素人、その素人は永久に素人、そういうもんだ。で、それでいいんだ。
- 人を育てるなんてできない、その人の才能を見つけるんだ。
進行というよりは観客代表という感じだった中村勇吾さん。

リンク: nisshi.yugop >> Blog Archive >> Method.
会場の人はどういう感想なのかよくわからないが、僕的には「生富野」を間近で体感できて非常に楽しかったです。
ただ、せっかく90分という時間があり、yugoさんと富野さんも事前打ち合わせをしていたのだから、例えば30分でひとネタ×3ぐらいのお膳立ては必要だったのではないかと思います。
で!
表現する人間としてどうあるべきか?というところで、個人的にいちばんしびれた一節があったので、それを一字一句余すところなく、記録しておきます。

わたくしが発信するものであったら、これさっきと矛盾すること言います、わたしの色が出ているものでなければいけない。

つまり、お前の好きに作るな!とさっきは言いました。言いましたけれども、実を言うと、やっぱり世の中の流れとか、それからアマチュアが大勢で寄ってたかって作っていると、同じような、つまり「美人はこれ!」という形ができるんです。
ファッションでもそうです。流行があるってのはどういうことなのか?、当然ビジネス上のしかけもあります。しかけもありますが、いちばん怖いのは、いちばん怖いのは「やっぱり、これでいけそうだ」っていうときに全員が右に倣えをするのが、これがアマチュアなんです。

みなさんはプロを目指しているはずだし、プロであるべきです。プロというのは、そこでもう1枚何か、わたくし的なものという言い方ではないですよ、ホントの意味での個性です、ホントの意味での作為です、新しい何かSometingを提供するというものを、やっぱり作り出していくということをしていかなくてはいけない、これがクリエイターなんです。

だから、ちょっとデザインができるとかがクリエイターではないんです。そこを間違ってはいけない。
ここでプロという言葉に重きがおかれていますが、そこに無駄にしばられる必要はないと思います。
プロというのはお金をもらうということだと思っていますが、ここでいうプロというのは「表現」ということにかかわるすべての人のことであると思って聞いていました。
ということで、いわゆる暴言的なものはあまりありませんでしたけど、こういう生富野もありだなあと思った次第です。
そうそう、ガンダムについてですが、私ははじめて聞いた話がありました。これも一字一句余すところなく記録しておきます。
もし(ガンダムを)狙って作っていたら、ぼくもかなりの作家だと思えたし、原作者として威張れたとも思います。そうではないんです。あくまでも時代の風潮の中で、仕事の必然としてやらざるを得なかったっていう要求があって、それにのっけるものだったら、こんなものもいいのではないかという気分で出したのがガンダムの企画だったんです。
ですから、ぼくの場合はこういうことです。ロボットものの先駆者に自分を貶めて、それでも貶めたいちばんの理由は、実はオリジナルストーリー権が欲しかったからです。
つまり、他の作品でしたら、まずマンガの原作をしてからでないと原作権が取れません。テレビの1スタッフでしかない人間には、それができませんから、ロボットものの先駆者になりました。
そう、だからガンダムは原作・富野由悠季なんですよね。他にも著作権の話もありましたが、それはそこからまた他の話に派生していったので、ここではここまでにしておきます。
▼愛蔵版 機動戦士ガンダムTHE ORIGIN vol.1 始動編
▼愛蔵版 機動戦士ガンダムTHE ORIGIN (2) ガルマ編
▼愛蔵版 機動戦士ガンダムTHE ORIGIN III ランバ・ラル編 (3)
▼愛蔵版 機動戦士ガンダム THE ORIGIN IV ジャブロー編
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投稿:by いしたにまさき 2009 05 18 10:00 AM [親父] | 固定リンク
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