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2009.05.15

『ツェ・スーメイ』、現代美術ではめずらしい音の作家




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年に何度か足を運ぶ水戸芸術館。今回はある方からチケットをいただいて、『ツェ・スーメイ』展に行ってきました。

水戸には何度かいくもの、今回の内容はチケットをいただいて、内容を気にする機会がなければ行くことはなかったような気がするので、チケットを分けていただいた方にまずは感謝。

ええ、いい展覧会でした。

P5030271

リンク: ART TOWER MITO 水戸芸術館 - ツェ・スーメイ.

ルクセンブルグ出身の新進気鋭作家ツェ・スーメイ(Tse Su-Mei、1973年生れ)の日本初の個展です。

彼女は2003年のベニスビエンナーレでルクセンブルグ館に金獅子賞をもたらして以来、世界各地の個展や企画展に招待されている、今もっとも注目すべきアーティストです。

ツェ・スーメイという名前からすると中国っぽい名前なんですが、ルクセンブルグ出身。なんでも、イギリス人と中国人のハーフの女性なんだそうです。

そして、何よりもびっくりしたのは、現代美術美術の作家ではあまりいない、どこまでも音の作家だったことでした。

展覧会全体を貫いているテーマは、緑と音、つまりアンビエントという意味も内包した環境です。

すべての作品に基本音がついています。光を表現する作品でわざわざネオン管を使っていたり、一見、音がないように思える作品も無音という音を狙っているようにも思えました。

YouTubeで見つけたツェ・スーメイの動画もやはり音がメインの作品でした。

▼Art Installation by: Su-Mei Tse (Swing, 2007)

そして、音を作品に取り入れていること以上に感心したのが、音の残響効果をものすごく上手に使っているところです。

音が鳴る作品が多いので、となりの作品に移動しても音が聞こえる場合もあります。さらにその次の作品に移動しても聞こえる場合もありました。

でも、この作品では音をちゃんと聞いて欲しいというものではヘッドフォンを使ったり、音を大きくしたりして、音が干渉しないように設置されていました。

そう考えてみると、となりの音が聞こえていた作品では、聞こえていたのでがなく、半分は聞かせる意図もあったのではないかと思いました。

また、グラフィックについては、過去のものを古今東西うまく取り入れているという印象です。

とても印象的なデザインだった『ツェ・スーメイ』図録。

R0020675.JPG

これもどこかで見たことあるなあと思ったデザインだったのですが、家にありました。

R0020678.JPG

もちろん、この本も元ネタがあって、それはマルセル・デュシャンのグリーンブックですね。

R0020680.JPG

さて、このゴールデンウィークの季節の水戸はすごく気候的に気持ちがいいです。

P5030315

それに天気がいいと芝生が青々としていて、いつも子供達が走り回っています。その光景を写真に撮るのも、この時期に水戸芸術館に行きたくなる理由のひとつです。

P5030272

で、この水戸芸術館のまわりの雰囲気と展覧会のイメージはとても一致します。

リンク: ツェ・スーメイ展 - daily thinking .

まあ、相当好きでないと東京から行くには旅行ついでですかねぇ。もうちょっとボリュームがあるとよかったかも。ボリュームがある展示をやったらもっと人が集まるのかも?

この方のご指摘はすごく最もですが、東京でこの展覧会が開催されていたら、今回のような雰囲気が出ただろうか?と思うとそれは少し疑問にも思うのです。

たしかに水戸は遠いですが、もし時間がある方はぜひ。いい展覧会です。

 

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投稿:by 2009 05 15 10:06 AM [文化・芸術] | 固定リンク

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