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2009.07.14
こんなに楽しい現代美術がわからないという人のための入門書
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現代美術が好きで面白そうな展覧会には行くようにしているのですが、たまに「現代美術はよくわからない」という話を聞きます。
ということで、たまにはこういうのを書くのもいいのだろうということで、現代美術の入門書を紹介しておきます。
まずはこれ。
現代美術というのは、要するに「ものの見方を変えてみよう」ということなのだということを、実例を踏まえながら、何度も何度も懇切丁寧に解説しています。
ものの見方を変える以上、そこには当たり前のように今までとは違うものが発生します。これが現代美術が「わからない」ということの正体なのです。だから、なぜ、懇切丁寧なんですね。
で、次はこれ。これはまだ読んでないのに紹介してすいませんが、くりはらさんが紹介しているんだから、まちがいないでしょう。ただ、予備知識のない人にはちょっと難しいかもしれない。
リンク: アールビバン系がキッチュなのに、村上隆がアートなのはなぜ? - おまえにハートブレイク☆オーバードライブ.
あ、あと、原稿では言及できなかったけれど、このへんにかんしては、ニュージャーナリズムの代表選手、トム・ウルフが75年に書いた『現代美術コテンパン』もおもしろい。いまこそ読まれるべき一冊と思います。
ということで、次に紹介するのがこれ。栗原さんも勧めているように、ホント今こそ読まれるべき本だと思います。
今のカルチャーというのは、サブカルチャーも含めて、70年代に大きく地殻変動を起こしているからですね。
で、ついでにトム・ウルフの名著も紹介。
▼そしてみんな軽くなった―トム・ウルフの1970年代革命講座
80年代から、なぜあんな時代になったのか、そして、それはそれでいいではないかという内容。『現代美術コテンパン』同様に、さくっと読めて、ページ数もそう多くないのに、これでもかというほどの示唆を与えてくれます。
ただ、ここでちゃぶ台をひっくり返す様で申し訳ないのだが、いかんせん現代美術というのは、なんだかんだといっても、これまでの西洋美術の文脈の上にあります。
ということで、それをざざっと理解するには、これはもう最適な本があります。
今でも、ときどき西洋美術を考えていて「あれ?」となったら、必要なところを読み返します。
ということで、現代美術はそれなりにハードルがあるのですが、それを抜けた先には、他では得られない経験があることは保証します。
そう、現代美術はむずかしいんじゃないんです。むずかしいのが、好きな人はむしろイタリアで古典とかひっくり返した方がいいと思います。いや、そんなことないかw。
でで、とにかく現代美術は楽しいものなんです。とにかく言いたいのは、これ。
もちろん、現代美術など好きなものを見つけるには、ひと苦労あったりはしますが、いいものに出会ったときの面白さというのは、ちょっと他に例えようがないです。
そして、現代美術のいいところは、それなりにお金がかかる場合もありますが、その作品を購入することも可能だということです。
大丈夫です。お金に対するクオリティがあり、しかも自分の好みにバッチリ合う作品や作家に出会うことなんて、そんなにありませんから、そんなに大枚払うこともないはず。
その分、まずは作品の金額ではなく、好みバッチリな作品を出会ったときには、まさに一期一会は次のチャンスはそうそうないので、買う気になったらさくっと買うことをおすすめします。
あー、アートを買うということについては、また別途エントリーが必要な気がするので、またそのうち書こうと思います。
【追記】
NY Art Beatの藤高さんがこのエントリーの続編を書いてくれました。どれもこれも良さげな本ばかり。読んでいる本もあるけど、全部買っとくか!
リンク: Once in dark rooms: こんなに楽しい現代美術がわからないという人のための入門書(藤高編).
これに触発されて自分も続けと思って、はたと気がついた。このブログを読んでくださっている方の中には僕がアートについては"よく"知っている人だという前提で読んでくださってる方もいらっしゃると思う。僕は、作品や展覧会そのものはできるだけ見るようにしているし、まあ割と見ているほうだとは思うが、実は、アートに関する本はほとんど読んでいなかったことに今更ながら気がついておどろいた。
たしかにソンタグは必須ですね。
▼写真論
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投稿:by いしたにまさき 2009 07 14 01:31 PM [文化・芸術] | 固定リンク
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