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2009.10.14
見逃すにはあまりにもったいない「皇室の名宝 日本美の華」
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「皇室の名宝-日本美の華-」ブロガープレビューに当選して、上野の国立博物館・平成館までお邪魔してきました。
リンク: 御即位20年記念特別展「皇室の名宝―日本美の華―」.
ブロガープレビューが開催されたのは10月5日でしたので、展示内容は1期のもの。展示内容は日本画が中心になっています。
作品はすべて皇室に献上され、平成になるまでは、それこそ上野の博物館にですら出ることはなかったものばかり。
これらの作品は、現在は三の丸尚蔵館で保存、展示されていますが、このやり方になったのも、平成以降のことなんですよね。
リンク: 三の丸尚蔵館 - 宮内庁.
三の丸尚蔵館は,皇室に代々受け継がれた絵画・書・工芸品などの美術品類が平成元年6月,国に寄贈されたのを機に,これら美術品を環境の整った施設で大切に保存・管理するとともに,調査・研究を行い,併せて一般にも展示公開することを目的として,平成4年9月に皇居東御苑内に建設され,翌年11月3日に開館しました。
ということで、今回の展覧会がいろいろな事情でとても貴重な機会であることは理解してもらえたかと思います。そもそも、この皇室の名宝展ですら、10年振りの開催なんですよ。
そして、その中でも「狩野永徳の唐獅子図屏風」と「伊藤若冲の動植綵絵、全30幅」は、もう見ないことにははじまらないという作品。
「伊藤若冲の動植綵絵、全30幅」
この動植綵絵、2年前に相国寺で展示されたときは120年振りの再会だったり、そもそも釈迦三尊像とセットでない全30幅ですら、ほとんど展示されたことがありません。
リンク: 目をみはる伊藤若冲の『動植綵絵』 - 情報考学 Passion For The Future.
動植綵絵は現在は宮内庁が所蔵している。昭和45年に京都御所で全30幅が風通しされ、それを見た外国人の若沖収集家プライスは男泣きに泣いたという話が紹介されていた。
これまで書籍などで見るしかなかったものを、一度に見ることができる機会が、次は一体いつになるかわかりません。
そして、全30幅を一度に見てしまった今となっては、これは一度に見るものだと言い切って言いと思います。
1つ1つの掛け軸をじっくり見るのもいいですが、この10年かかって作られた全30幅を、できるだけ同時に目に入るように見ることで伝わってくるものというのは、やはりあるのです。

それは「絵画はもうこれですべてでいいのではないか」 という印象です。こういう体験って、そうそうあるもんじゃありません。
また、当日いた三の丸尚蔵館にお聞きしたところ、今回は年代順に並べられているそうですが、この全30幅の並びには「決まり」がないのだそうです。
これは、つまり、見た人が好きにすればいいということなのだと私は理解しました。
「狩野永徳の唐獅子図屏風」
以下の写真では、右のものが唐獅子図屏風です。

じゃあ、左はなにかというと、これは江戸時代の狩野派によるもの。
狩野永徳は安土・桃山時代の人ですから、この左右の間に100年の時が流れているわけです。なんだそりゃ!
他にも、応挙の虎、北斎のすいか、工芸品の数々。よくもこれだけのものが質量ともに揃っているのか!という内容。さすが皇室というしかありません。
さて、この「皇室の名宝―日本美の華―」1期の展示は11月3日までとなっています。
会期が短いと思う人もいるとは思うのですが、日本画で、それも掛け軸となれば、長期間の展示というのは、まさに保存との板挟みです。
ぜひ、この機会をお見逃しない様に。
ホントにスゴイと同時に、これらの作品がこの状態で保存されてきたことに感激します。
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投稿:by いしたにまさき 2009 10 14 03:07 PM [文化・芸術] | 固定リンク
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