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2010.04.28
ゴールデンウィークに読むのにおすすめ『生きる技術は名作に学べ』
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そういえば、前回の夜トコのメインコンテンツだった『生きる技術は名作に学べ』について書いていなかったことを思い出しました。
この本はわかりやすく言うといわゆる世界の名作の解説書です。もちろんただの解説書じゃないですけどね。
名作から現在のわれわれが生きるのに役立つエッセンスを抽出しようというのが、企画意図だったのかなと思いますが、そこからはいい具合に楽しく逸脱しているのが素敵です。
個人的にいちばん好きなのは『車輪の下』。
なんというか、『車輪の下』を読んだことはあるのですが、ハンスの側に親身になって立って考えたことはなかったなあと思いましたね。
ハンスの側に立って考えてみると、すごく『車輪の下』に対する見方が変わりました。
そうか、若い頃に読んだときって、こっちに知識も経験も足りないから、全部の自分のことととして読んでしまっていたのかもしれないなあと、ちょっと反省しました。
と、こんなことを考えさせてくる名作は他にもこれだけ取り上げられています。
- 「異邦人」 カミュ
- 「初恋 」 ツルゲーネフ
- 「アンネの日記」 アンネ・フランク
- 「老人と海」 ヘミングウェイ
- 「月と六ペンス 」 モーム
- 「ハックルベリイ・フィンの冒険」 マーク・トウェイン
- 「赤と黒」 スタンダール
- 「一九八四年」 オーウェル
- 「魔の山」 トーマス・マン
ただ、これらの名作を下敷きにした読み解きのホント面白いんですが、それ以上に面白かったのが、間に挟まれるエッセイ。
- 貧乏について
- 暴力について
- 父親について
- 死について
こんなテーマのエッセイがなんとも軽快で楽しく読めるのです。こういうのありそうでホントにない。
でも、読むなら、ちょっと時間のある時に読むことをおすすめします。文体は軽快だけど、すごくいろいろ考えちゃうから。
あ、そうそう。
イベントで著者の伊藤聡さんがブログを書き始めたきっかけについて「みんなの毎日に入りたかった」とコメントしていたのが、すごく印象的でそのことについて、ずっと考えていることをここにメモとして残しておきます。
で、個人的にはアマゾンで本を買ってもらうのもいいのですが、書店キャンペーンが実施されています。
リンク: 2010-04-23 - 空中キャンプ.
ということで、新規読者へ向けてなにかできることはないかと案を練り、前回好評をいただいたフリーペーパーをさらにパワーアップさせた小冊子を作り、本を 買っていただいた方へおまけとして差し上げようということになりました。前回は、「ほのぼの童話」「僕の挫折した楽器一覧」など焦点の定まらないぼんやり 読みものばかりでしたが、今回は、新規の読者さんたちをがっちりロックする内容にしましたよー。冊子のタイトルは『文学から見たアメリカ』です。
以下の書店で実施されているということなので、お近くの方はぜひ。
小冊子がもらえるすばらしい書店 一覧
丸善 丸の内本店(東京)
有隣堂 ヨドバシAKIBA店(秋葉原)
あおい書 店中野本店(中野)
ブックスルーエ(吉祥寺)
紀伊國屋書店 横浜店(横浜)
ブックスキヨスク 新 大阪店(新大阪)
旭屋書店 なんばCITY店(なんば)
もっといい書評は以下でどうぞ。
リンク: yomoyomoの読書記録 - 伊藤聡『生きる技術は名作に学べ』(ソフトバンククリエイティブ).
その日常の中にある美を見いだす姿勢を著者は名作から学んでいるわけで、それこそが生きる技術と考えれば本書の書名は何もおかしなものではなかった。
リンク: 「住宅都市整理公団」別棟:シンパシーとともに、つっこめ。「生きる技術は名作に学べ」.
そしてままならない人生において、物語ることそのものが「生きる技術」になりうる、と。伊藤さんはそう言っているんだと思う。
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投稿:by いしたにまさき 2010 04 28 10:30 AM [書評] | 固定リンク
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