トップ > 書評 > 自分の普通を守り続けることの過酷さ、小明さんの「アイドル墜落日記」
いしたにまさきの新刊:HONDA、もうひとつのテクノロジー ~インターナビ×ビッグデータ×IoT×震災~ 01 それはメッカコンパスから始まった|Honda、もうひとつのテクノロジー 02 ~インターナビ×GPS×ラウンドアバウト~ 運転する人をサポートすること|Honda、もうひとつのテクノロジー 03 ~インターナビ×災害情報×グッドデザイン大賞~ 通行実績情報マップがライフラインになった日
2010.06.10
自分の普通を守り続けることの過酷さ、小明さんの「アイドル墜落日記」
ツイート
|
|
全面独白でこれだけ面白い本を読んだのって、ホント何年ぶりなんだろうという傑作。
先日のあんこう鍋でごいっしょしてから、ずっと気になっていて先日やっと注文したら、もう面白くて一気読みだった。
いや、ホントすごかった。超かっこいい。ネガティブ発言も突き抜ければ星になる。
いやいや、そういうことじゃない。
この日記に延々と書かれていることは(文字はまさにぎちぎちで印刷されています)、「自分の普通をいかに守り続けるか?」という、ただそれだけのこと。
でも、それがいかにむずかしく、過酷で、いかに人には簡単にバイアスがかかるかなんていうのは、ここでグダグダと書くべきことじゃありません。
小明さんの日記はたしかにネガティブワードだらけです。
でも、これはだれかを批判するとか、だれかを貶めるとか、そういう目的のために使われている言葉ではありません。
徹底的に、自分に向いている。
それはもうひとえにどうにかされてしまいそうな状況の中で、必死に自分をつらぬこうとしているからです。
でも、それはいわゆる自分探し的なものではなく、状況を的確に把握しようとした結果、うっかりそうなってしまっているだけ。
表層的な言葉にだまされちゃいかんですね。
で!
こういう「自分の普通をいかに守り続けるか?」ということに、同じ様に厳しい状況の中で、自分をつづった日記としては、山田風太郎の傑作があります。
これは戦時中という異常な時代の中で、その違和感を手放さなかった人の日記です。
そう、小明さんの日記はアイドル業界という異常な状況の中で、その違和感を手放さなかった人の日記です。
だから、読後感がすごく似ている。従軍日記と言ってもよいかもしれません。
だって、読み終わった時のおれ、超やる気出てましたからね。うひょー。
ところで!
アマゾンから届いた本に帯が2つついていたのは、何かの嫌がらせなんでしょうか?
どうなんですか?あかるさんw?
« 電子書籍のリッチ化とマイクロ化のお手本はAKB48にある | トップページ | 仙台でリンクシェア主催のツイッターセミナー開催のお知らせ »
投稿:by いしたにまさき 2010 06 10 10:30 AM [書評] | 固定リンク
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
この記事へのトラックバック一覧です: 自分の普通を守り続けることの過酷さ、小明さんの「アイドル墜落日記」: