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2010.06.22
ゲームデザイナーというとんでもない人たち『ゲームデザイン脳』
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今、 日本でいちばんクリエイティブな仕事のひとつがゲームデザイナー。
ゲームデザインっていうのは、例えばスポーツに例えるのであれば、サッカーの様に何年も何人もの人間がやってきたルールの設定、シナリオ、個々のゲームの塩梅、まさに見た目のデザインの方向など、考えられないぐらいのことを、それも大人数が参加するプロジェクトでやりとげる考えただけでも途方に暮れる仕事のことなわけです。
ここにはもちろん神のごとき人たちというのがいて、宮本茂さんとか堀井雄二さんとかがまさにそれに当ります。
ただ、不思議と(というか単純にそんなことやってる暇も理由もないから)そういう人たちがどう仕事を進めているのかについては、なぜかこれと言った本がありません。
一部、横井さんの本(横井軍平ゲーム館 )がありますが絶版で高値。
と思ったら、同じ作者による新しい横井本が出ていて予約受付中です。なんてありがたい!うれしい!
で、そのめったにないゲームデザイナーが何を考えているかの本を見つけてしまったので、その場で買って、すぐに読み始めたわけです。
▼ゲームデザイン脳 ―桝田省治の発想とワザ― (ThinkMap)
これがまあ予想をはるかに超えて面白い。というか、ゲームデザイナーって、やっぱりとんでもないわ。
ゲームというのは、実に過酷な現場で、とにかくユーザーを楽しませないといけない。
ひどいときは、一瞬で見切られてしまうわけです。
しかも、長丁場になるRPGなんかでは、演出に緩急も必要。ユーザーもバカじゃないから、ストーリーやシステムに合わせて、これもユーザーが納得する演出でないといけない。
- ゲームの演出
- ユーザーが入り込めるシステム
- ある意味ユーザーを教育する緩急の演出
ルールを決めて動くようにしつつ、こういうこともしっかりやっていかないとゲームとして成立しないんですね。
しかもWebサービスみたいにアップデートで対応なんてことは言ってられません。なんという世界。
きっとゲームをやったことがある人なら、だれでも知っている以下のメッセージ。
「へんじがない ただのしかばねのようだ」
この何度も出てくる汎用メッセージが以下に優れたメッセージであるかの解説で、このゲームバランスの部分を解説していく辺りは、読んでいてこちらがわくわくしてきます。
- 基本情報
- キャラ立て
- 世界観
- 行動のヒント
これだけの情報を、実は「へんじがない ただのしかばねのようだ」というメッセージにゲームデザイナーは込めているということなんです。
Webサービスでこのレベルのメッセージってたしかにほぼ見たことがありません。こういう説明こと、ユーザー体験のベースになるのですから、もっと考え悩んでもいいはずです。
そして、この本にもまさにゲームデザイナーらしいしかけが入っています。そして、それはそのまま本のデザインと一致しています。
考えてみれば、本の表紙というのは本の印象を決めてしまうものであるのに、キャッチーさばかりで決められている様な気がしないでもありません。
そうそう、最近買った本にやたらにピンクを主体にした装丁が多いのは、これは何かの流行なんでしょうか?
実際、書店に目に留まりやすいのは事実なのかもなあ。
【追記】
このレビューをアップしたところ、すぐに作者の桝田さんからコメントが入りました。
リンク: Twitter / 桝田省治: 攻撃が得意な人、守備が得意な人 ....
攻撃が得意な人、守備が得意な人、コーチ向きの人、世の中いろいろな人がいたほうが楽しいよ
言葉の真意を完全に把握することはできませんが、私のレビューがゲームデザイナーだけを称賛しているという認識なのかもしれません。
そんなつもりはなかったのですが、このレビューからそういう印象を持った人が他にもいたら申し訳ないです。
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投稿:by いしたにまさき 2010 06 22 01:55 PM [書籍・雑誌] | 固定リンク
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