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2010.08.31
WISH2010振り返りと、今の電子書籍に物足りないと思っていること
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先日、無事に1日かけて開催されたWISH2010(長かったよ!)。
リンク: WISH2010 受賞結果を発表します | WISH2010 ウェブの未来を担う可能性を発掘・共有・応援.
私が小林さんとともに、審査を担当したAMN賞は、以下のサービス。
リンク: インターネット家電メーカー ガラポン株式会社.
選考理由をここに書こうと思ったら、とっくにポストされていました。
いしたにさん「アイデア自体は既成にもあるけれど、URLが一定で、ブログのパーマリンクのような使い方が考えられる。あと3万で出るなら自分がほしい」 #wish10
で、壇上での行動をさらにポストされてた。
いしたにさんがブロガー気質すぎてウケるw #wish10
まあ、こういう写真とか。
こういう写真とか、撮りたいじゃないっすか。
湯川さんが同じTシャツを授賞式の景品として仕込んでいたのは、そのネタかぶり具合ぶりも含めて笑いました(というかネタかぶちゃってごめんねつるちゃん)。
ただ、壇上で誰も「TechWaveがGoogleWaveって、だじゃれか!」ってつっこまなかったことは、WISH2010最大の不満です。
懇親会も多くの人が残って、なごやかにいろいろな話がされていた様です。
で、今年のWISH2010は、去年のWISH2009と比較すると、なんというか、事業として実現可能性の高いサービスが多いのが特徴でした。
その意味で、実は評価の視点を変更すると、ホントにどのサービスが受賞してもおかしくなったのは事実だと思います。
じゃあどこが評価を分けたかという、審査員が何を重視したのか?ということと、現場でのプレゼン力という気がします。
その辺りを総括しつつ、湯川さんが3本のエントリーをアップしています。
- リンク: 日本のネットベンチャーは世界とどう戦うべきか=WISH2010に見るトップ経営者の考え方【湯川】 : TechWave.
- リンク: 優勝はブクログのパブー、TechWave賞はtogetter=WISH 2010プレゼンテーション大会【湯川】 : TechWave.
- リンク: WISH2010優勝者ブクログのパブー=さすがのスピード感と今後の課題【湯川】 : TechWave.
どのエントリーもさすが湯川さんというまとめ記事なので、ぜひ目を通して欲しいのですが、問題というか、私としてもフォローしないといけないのが最後の記事。
リンク: WISH2010優勝者ブクログのパブー=さすがのスピード感と今後の課題【湯川】 : TechWave.
でも審査員の間での雑談の中で、みたいもんさんが「でも電子書籍のサービスっていっぱいあるからなあ」と一言つぶやいていた。そうなんです。そこなんだよね、いしたにさん。
まず、私としてもサービスの完成度などを考えてもブクログのパブーが大賞を受賞したことに、なんの異論もありません。
サービスそのものとしてではなく、ペパボはホントサービスの作り込みがすごいです。
- まずネーミングうまい
- 冒頭のビデオでプレゼンの空気を作った
- 既存ビジネスのどこを壊せばいいかのコツを知っている
- ああ、ブログみたいな展開ができそうだなと聞いている観客が想像できる
ただ、私が先ほど湯川さんに引用されたことは、上記の評価を踏まえつつも、これはブクログのパブーだけじゃなくて、今まで見てきた電子書籍に共通の問題点のことを暗に言おうとしていたことでした。
大抵の電子書籍ものというのは、結局紙に印刷することをスクリーンに表示することに置き換えただけに留まっています。
もちろん、そこには流通の革命や中抜きや色んなことが含まれてはいます。でも、だからと言って、既に流通も書き手もある紙に対しての絶対的な優位にはなっていません。
ひとつ例を出してしまえば、気になったところに付箋を貼って、それを人に見せたり、数行をブログに引用するなんていう簡単なことができなくて、何が電子書籍か?!と思うんですよね。
「紙の魅力」はいろいろあるが一番はDRMフリーだということだ。
アナログからデジタルになるということは、流通の革命も大きな要素ですが、それよりもコンテンツの単位が小さくなって、その小さいものがそれ自身の力でどんどん勝手に流通していくことの方が大事だと考えています。
リンク: WISH2010優勝者ブクログのパブー=さすがのスピード感と今後の課題【湯川】 : TechWave.
でも審査員の間での雑談の中で、みたいもんさんが「でも電子書籍のサービスっていっぱいあるからなあ」と一言つぶやいていた。そうなんです。そこなんだよね、いしたにさん。
もう1度繰り返しますが、ブクログのパブーは記事で湯川さんも書いている様に、現時点での完成度はぶっちぎりです。
ただ、他にもある電子書籍と比較して、そこは逆立ちしても紙にはできないことというのは、サービスに内包されているとは感じられませんでした。
これが、「他にもいっぱいある」という言葉で伝えたかったことです。まあ雑談での話なので、ここまで突っ込んだ言い方はしていなかったんですが、それはまあ雑談での話ですからね。
そんなわけで、ある意味ただの新手のRSSリーダーとも言える「flipboard」の方が、私が夢想する電子書籍に近い姿の様に思えるのです。
「flipboard」ホントすごいですよ。だって、プラットフォームもものすごく特別な技術もなんにもないですよ。アイデアとデザインだけで、真っ向勝負してます。
だから、どうしても電子書籍にはまだまだ本質的にやれることが残っているとしか思えないんですよね。
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投稿:by いしたにまさき 2010 08 31 10:30 AM [Webサービス] | 固定リンク
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