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2011.02.17

「地下鉄は誰のものか」は、東京で時間を過ごす人なら基礎教養として読んでおくべき




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2時間とかからずに一気読み。他にやるべきこといっぱいあったのに、熱病にとりつかれたかのように読みきってしまった。

いや、猪瀬さんの文章に読まされてしまったというべきなんでしょう。

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地下鉄は誰のものか (ちくま新書)
地下鉄は誰のものか (ちくま新書)

地下鉄問題、というかメトロと都営の一元化問題、これはまさに現在進行形の話で、これを歴史的に決着を見てしまった後ではなく、今読めるというところに、ここ最近の猪瀬さんの著作はみんなそうといえばそう、まず1つ大きな醍醐味があります。

メトロのバリアフリー化や、ホームからの落下防止策について都営よりも劣っていることには気づいていましたが、それがどこから始まってどういう理由で進まないのかということについては、疑問すら持っていませんでした。

 リンク: 九段下駅の壁撤去は年内に着手: 猪瀬直樹Blog.

旧帝都高速度交通営団が民営化して東京メトロとなったのは2004年でした。民営化とは国民や利用者への利益還元や負担軽減のためになされるべきなのに、メトロの民営化はゆがんだものでした。山の手線のような高収益の路線ばかりをもったインフラを“私有”して借金は7000億円足らず。それでいて私鉄と比べても職員の給料はいちばん高く、2000億円もの剰余金を貯め込んでいる。さらにバリアフリー投資をしないで都心にワンルームマンションをつぎつぎと建設して儲けようとする、そんな職員天国ができあがっていたのです。

まさに、役人に私も含めて多くの人がしてやられ続けてきたわけです。

こういう役人にだまされる国民という構図というのは、他にもあって、以下の記事などもそうです。

 リンク: 日本の野菜は“ユニクロ”よりも強い:日経ビジネスオンライン.

要するに、日本の農業の生産量や生産力は、農水省発表の数字よりはるかに高いのです。


そして、話は、地下鉄という東京、それも山手線内のまさに中心部のインフラがどう整備されてきて、どう展開されてきたのかについても及びます。

まさに不勉強な私は「大東急」のことも知らなかったし、五島慶太が「強盗慶太」と呼ばれていたことさえ知りませんでした。

で、ここからなんか妙に熱が入ってしまうのですが、私が今本を出させていただいたり、そのベースとなっているブログで文章を書き続けているのは、要するに大学に入る前に、この『ミカドの肖像』を読んでしまったからです。

ミカドの肖像 (小学館文庫)
ミカドの肖像 (小学館文庫)

今でもそうですが、フィクションの才能がなく、当然小説なんて書けない。今となってはバカみたいな話ですが、小説みたいなものを書かないと文章書きとしてはまともじゃないと思い込んでいた時期があったんです。

それを開放してくれたのが、私にとっては『ミカドの肖像』でした。

ああ!これでいいんだ!このやり方でいいんだ!と当時の私なりではありますが、どうにか実感することができたわけです。

さて!

私が熱病にとりつかれたかのように『地下鉄は誰のものか』を一気読みしてしまったのも、ここにあります。

『ミカドの肖像』と『地下鉄は誰のものか』は完全に地続きなんですね。やっぱり『ミカドの肖像』の猪瀬直樹さんは、今でもあの猪瀬直樹さんなんです。

そして、『ミカドの肖像』と『地下鉄は誰のものか』の間には、『ペルソナ 三島由紀夫伝』が入ります。

それはなぜかというと、『ペルソナ 三島由紀夫伝』が官僚の腐敗の原点を探る物語だからです。

ペルソナ―三島由紀夫伝 (文春文庫)
ペルソナ―三島由紀夫伝 (文春文庫)

ひとりの作家だから、当たり前といえば当たり前なんですが、この一直線ぶりは、ホントすさまじい。

ということで、地下鉄問題という今の問題がどこからきたのか?、そして猪瀬直樹さんの活動の源泉はどこにあるのか?という意味でも、ちょっとこれ以上ないという内容になっています。

地下鉄なんて、私にとっては生まれてからずっとあるものだし、あまりにもなじみのあるインフラになり過ぎていたことを根っこから考え直すことになりました。

そう、地下鉄はふっと出てきたものじゃないんです。どっかの誰かが強烈な意思で作ったものなんです。

インフラに対する「与えられたものである」という意識って、いつも忘れてしまいそうで、そこも大きく反省しているところです。

地下鉄は誰のものか (ちくま新書)
地下鉄は誰のものか (ちくま新書)

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投稿:by 2011 02 17 10:30 AM [書評] | 固定リンク

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