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2011.07.11
『ぼくらのよあけ』と団地と不足するぼくの団地愛
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世間では団地ブームということらしいですが、団地の良さというのはわかりつつも、個人的にはなんとも乗りきれていません。
そんな折、団地野郎がこれは最高の団地マンガだ!とおすすめするので、早速読んでみました。
ここのところ増えている、生活に密着した形でのSFの領域のものですし、なにしろ背景含めたもろもろの描写がいい。
すごいという意味では、すごくちゃんとお仕事をされているという印象。ちょっとネットで調べただけでも、ぼんぼんとレビューがアップされているのも当然です。
中でも、面白かったのが、以下の一連のレビュー。今のところ、3本アップされています。
リンク: 今井哲也『ぼくらのよあけ』が面白い! 今月のアフタヌーン - マンガ雑読記 あとその他.
見下ろされてる友達とか、配管とか洗濯カゴとか、外の木とか建物とか。どれもすごく緻密に描かれてて、かつきっちりしたパースで配置されてます。なので、小学生のゆうまくんに、団地がどういうスケール感で見えてるか?がすごく伝わってくるんです。
最初はマンガに対する興味だったのが、どんどんその舞台である団地への興味に変化していくのが、実にすばらしい。
リンク: 「団地」に降り積もるファンタジー 今井哲也「ぼくらのよあけ」 - マンガ雑読記 あとその他.
それと大事なのは、実際の中身を見ても、団地って宇宙船っぽい住居なんですね。 まず見た目がそう。今井さんの絵を見ればわかりますけど、他の集合住宅に比べて、団地のフォルムや外装ってシンプルで機能的。 あとは、住民層がすごく均質ってこと。少なくとも「想定上」、団地には若い核家族が多くて、世帯の間には、一種の類似性があります。普通のアパートやマンション、住宅地に比べて、住民を一個の宇宙船の乗組員に見立てるのに向いているわけです。
リンク: 2011-05-07 - マンガ雑読記 あとその他.
このマンガ、どうやら東京都杉並区にある阿佐ヶ谷住宅という実在の団地をモデルにしてるんですね。
ひとつの物語をおいかけていくうちに、興味が推移していくこの感じって、どこかで見覚えあるなあと思っていたら、これまさに聖地巡礼のときによく起こることそのものですね。
そんなわけで、団地好きがマンガを読んでマンガに興味を持つという逆の遷移をした人の感想が、以下のように、まるで聖地巡礼に言った人たちが言うことに似てくるというわけです。
リンク: 「住宅都市整理公団」別棟 : まちがいなく2011年最高の団地マンガ『ぼくらのよあけ』.
一方で、この『ぼくらのよあけ』はたんにそういうリアリティ獲得や演出上の問題だけで団地を選んでいない点がすてきなのだ。プロットに必要不可欠な装置として団地が登場している。
さて、ただこの『ぼくらのよあけ』を読んでいて、なぜ私に団地愛が不足しているかがよくわかってしまった。
団地に暮らしたことがある人、団地にあこがれを持つ人であれば、どうにも共有できてしまうことが、私にはすっと共有できない。
もちろん、みんなが話題にしている団地の階段の描写とかマンガとしての良さはわかるんですよ。
でも、そこになんか1枚フィルターがかかっている感じがどうしても抜け切れません。
まあ、団地愛が人生において必須なものではありませんので、それはそうであると事実認識できただけでも、私にとってはすごく価値がありました。
とはいえ、確かに1マンガとしても十分に面白い。
ただ、個人的には2巻発売まで待って一気読みの方がいいかなとも思いました。
ということで、次の2巻での完結が楽しみです。
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投稿:by いしたにまさき 2011 07 11 12:25 PM [アニメ・コミック] | 固定リンク
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