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2011.07.12

Google+(グーグルプラス)の戦いの本丸は会員数ではなくデータ量




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 Google+(グーグルプラス、もしくはグープラ)を使って、約2週間。だいぶ、いろいろとわかってきたので、ここらで初期のひとまとめとしておこうと思います。

Googleplusmasakiishitani

今のところの感想は、とにかくひと言で言うと「ラリー・ペイジやっぱりすげえ!」という言葉に集約されます。

これは使い始めて1週間ぐらいで思ったことですが、グーグルプラスはどう考えてもSNSじゃありません。そして、ソーシャルメディアとも思えません。

仮にグーグルプラスが踏み込んだ領域に名前をつけるとすれば、ソーシャルウェブです。

ソーシャルメディアの世界では、各サービスがそれぞれのサービスの設計から発生する情報の偏りが見られます。

それは例えば、こんな感じです。

  • プライベートに近い情報なのか、ビジネスに近い情報なのか
  • みんなに人気のある情報なのか、おれと関連性が高い情報なのか

ただ、この偏りは同時にその偏りによる井の中の蛙状態を容易に作り出します。別の言い方でいうと「スケールしない」ということでもありますね。

このソーシャルメディアの弊害から、グーグルプラスは巧みに抜け出せる設計になっています。

自分が入っているサークルと自分が見ているサークルは、ツイッターのフォローとフォロワーの様に不平衡になる様に設計されています。

Googleplusmembers01_2

さらにサークルは、書くと読む、両方に作用するので、ここでも情報の不平衡が容易に生まれます。

Googleplusmembers00

この不平衡が保たれる情報を維持する、これこそがタコ壺に陥らないための工夫なわけです。

書いた不平衡なポストに不平衡なコメントがつくのも、なんともうまい。

そして、ウェブからの情報はSparksが引き受けます。自分に必要がないポストはがんがんミュートすることができ、ユーザーをブロックすることもできます。

これは、今はそこそこしか動いていない設計になっていますが、今後ユーザーが登録するフィードやグーグルリーダーからの情報もマージされていくはずです。さらには、グーグル+1経由で、外部からのデータも飲み込む設計になっています。

じゃあ、なんでこんな設計にグーグルプラスがなっているかというと、これは今も昔もグーグルという会社はユーザーそのものに興味がある会社じゃないからです。

今も昔もグーグルが興味があるのは、ユーザーがもたらすデータです。そして、そのデータ量は多ければ多いほどいいのです。

ユーザーの心情のこととかあんまり考えない結果、ユーザーにゆるい設計になってしまったのも、実に結果オーライな感じです。

そう考えると、グーグルプラスが若干複雑なギーク向きの設計になっていることもうなづけます。

各種サービスの統計結果で分かっている様に、サービスにおいてデータ量というトラフィックを持っているのは、いつでもギークだからです。

そして、データを取るという意味では、グーグルから見ると、ユーザーにずっとグーグルプラスを使ってもらう必要はありません。

ウェブ上の行動のどこかでグーグルのサーバに接触してくれれば、グーグルはデータを入手できるからですね。

だから、グーグルが結局ブロガーにほとんどデコ入れをしていないことからも分かるように、グーグルの方程式では、ユーザーは別にグーグルのブログサービスを使っていなくてもよくて、最後はクローラーがデータをすくいあげて、検索に落としこめればよかったわけです。

ところが、この方程式がクローラの入り込めないSNSや検索では捕まえきれないソーシャルメディアでは、機能しなくなってきました。

そこで、新しい方程式としてソーシャルメディアに楔を植えこむグーグルプラスをぶち込んできたというわけです。

だから、グーグルプラスは他のソーシャルメディアと同軸にあるサービスではなく、そのひとつ上位にあるサービスと考えた方がいいのです。

なので、ここまで放置されてきたブロガーやPicasaもグーグルプラスに統合されていくというわけです。

しかも、それがGmailを結びついているので、グーグルプラスを「スーパーGmail」と評した滑川さんの発言は実になんともうまいです。

だから、ことfacebookとの戦争において、実はグーグルプラスはデータ量で上回ればいいのであって、ユーザー会員数で上回る必要がないのです。

つまり!

グーグルがグーグルプラスでしかけた戦争はそもそも勝負の土俵が違うんです。

facebookがグーグルプラスに勝つためには、会員数で上回っている必要があるのに、グーグルプラスはfacebookに会員数で勝つ必要がないんです。この戦争のしかけ方は、なんともうまい!うますぎる!憎たらしい!

もう少し言うと、グーグルプラスはソーシャルメディアが余りにもメディアの方向に行ったことに対するテクノロジー会社であるグーグルの答えなんですね。

What Google+ Means for Marketers
View more presentations from Ben Gaddis

ただーし!!お客さん!

ここまでのところ、グーグルプラスで私をサークルに入れてくれる人を定点観測した結果からすると、ここのところは1日あたり15%増加になっています。これは同じ時期にグーグルプラスを始めた他の人の所でも同じ様な数字になっています。

Googleplusmembers99

ということは、単純計算ですが、7月末にはおれをサークルに入れている人がおれのツイッターの現在のフォロワー数の約8000人を上回る計算になります。

これは、サービスローンチからちょうど1ヶ月でツイッターの4年分を達成してしまうという計算になってしまうんですね。

ちなみにfacebookはフレンド500人ぐらいなので、私の投稿を見ている人という意味では、既に7月10日に10日間でグーグルプラスに抜き去られております。

いやいやいや、会員数で勝つ必要なんて全くない合戦を準備して、違う土俵を用意したのに、この有様とは!

なお、グーグルプラスのサービス全体では、すでに登録会員数が450万人を突破しています。

この約2週間のグーグルプラスの推移を見ていると、ここまでのグーグルでのソーシャルメディア方面での失敗(WaveとかWaveとかWaveとか)は孔明の罠だったんじゃないかと思えるほどですよ。

グーグルプラスは、サービスとしてホントによく考えられているし、サービス間の戦争という意味では、どこから見ても隙がない。

ということで、ここまでのものをリリースできたという背景には、グーグル社内で相当のテストを行なっているはず。

これはグーグル内部からのここ最近の新規サービスではついぞ見たことがないサポートの手厚さや「ご意見・ご感想」の入力フォームの出来の素晴らしさからも見て取れます。

で、こんなにソーシャルメディアに対してのグーグル社内からの空気が変わったというのは、グーグルプラスが何をユーザーから得ることができて、それ がグーグルへのビジネスドメインに直結するメリットになるという方程式が完成していて、かつ最近政権交代があったトップダウンの支持があったはずです。

グーグルプラスはアメリカではツイッターキラーになるでしょう。すでに実際ツイッター危うしの数字も出ています。

日本では、今年はfacebookイヤーになるはずでしたが、今年の後半はグーグルプラスイヤーになってしまうかもしれません。

日本において、facebookが明らかにアドバンテージを持っているのは、facebookページですが、それもグーグルプラスページが準備されているという始末。

そして、これも日本限定で考えれば、実質日本のことなんてなんも考えてないとしか思えないfacebookと比較しても、断然グーグルプラスが有利です。

ということで、気づいてみれば世界最強のデータセンターを持っている会社が、ソーシャルメディアでも最強の布陣をひくことができるという、実につまらない結論にたどり着いてしまいました。

とはいえ、その最強のデータセンターに、ゴミデータではなく、生きたデータをあくなき挑戦で蓄積し続けようとするグーグルの企業姿勢には、とっても共感するところが大きいので、私はしばらくグーグルプラス経由でグーグルにデータをがんがん預けるつもりで使い続けようと思います。

これがラリー・ペイジCEO復帰から約半年で起きたことなんです。

ね!

ラリー・ペイジやっぱりすげえ!」でしょ!

ああ、まだ写真とか映像の話とか、アンドロイドアプリのすごさ(というかHuddleのすごさ)とか、リリースタイミングのうまさとかの話も書いてないのに、もうこんなに長くなってしまった!

【この記事から漏れてしまったグーグルプラス関連の記事】

グーグルプラスでのノウハウ関連

アンドロイド関連

【追記】

きょうの「おれをサークルに入れた人」は、さらに加速して、前日比120%。さらに、明日にもグーグルプラス全体では1000万人突破だそうです。

このままだと、グーグルプラスは最速で1000万人ユーザーを獲得したサービスということになりそうです。

この加速はどベータユーザーが少なすぎて、グーグルで反省会が開かれて、がっちりサーバ増強している結果(推測)なんじゃないかと思います。

さっそく、グーグルプラスとGmailとの連携の噂も出ています。

他にも、グーグルプラスのおかげでfacebookはやらないことがはっきりしたのではないかとかの意見もありました。

また、ここでは余りに触れなかったサークルについては、サークルをテクノロジーの方向から考えた意見と、サークルをリアルな人間関係の反映と考えた意見などを見ることができました。

「ネットは未来の自分のためだけに使う」という利己主義のほうが「誰かに一度でもいいから評価されたい」という周りの空気読みよりも断然オススメ。ってのは長年言い続けてるけど、そんなに浸透してる気はしないから何度でも書きたい。less than a minute ago via web Favorite Retweet Reply

どちらにしろ、テクノロジーから考えても人間関係から考えても、それなりに有効であろうという面をサークルが持っているのは、やっぱすごいわけです。

そして、早くもKNN神田さんから撤退宣言で出ました!

早々に、Google+からは撤退表明! 理由はマルチアカウントのヒモづけが大変なのとGmailにワンサカmailがやってくるから… https://plus.google.com/ http://fb.me/Zv6T2ybuless than a minute ago via Facebook Favorite Retweet Reply

Googleを支える技術 ~巨大システムの内側の世界 (WEB+DB PRESSプラスシリーズ)

4774134325

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投稿:by 2011 07 12 10:30 AM [Google+] | 固定リンク

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