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2012.01.19

Pinterestはネットではなく、世界をコレクションするサービスである

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Pinterestの噂は年末年始ぐらいから、各方面から聞こえ始めていました。それが決定的になったのは、年末のトラフィックの数字。

　リンク: ソーシャル・ショッピング掲示板のPinterestの成長は驚異的―6ヶ月でトラフィックが40倍に.

先週、Pinterestへのアクセスは1100万回に上り、半年前に比べて40倍の成長となった。

こんな数字は見たことがありません。そんな状況だったので、近いうちに試したいなあと思っていたのですが、おとといinviteしてもらったので、それからずっと遊んでいたのですが、Pinterestこれはすごい。

正直、このサービス設計は、ちっとも思いつかなかった！Webサービスを使って、１日でここまでの衝撃を受けたのは、tumblr以来です。完全にまいりました、ホントごめんなさい。Pinterestを私はなめてましたよ。

さて！

Pinterestは、さすがに最新型のサービスなだけあって、その特徴は実に多面的な見方をすることができます。

ということで、順番に見ていきましょう。まずはwebです。

【Pinterestとtumblrはまったく違うもの】

Webからだけ見ると、Pinterestは実にそつのないつくりになっています。

このそつのなさというのは、オープンであることもありますが、とにかくバイラルの波が起きるを待つために、その準備は、ひとつ残らずやっているという印象です。

とはいえ、サービスの本質を考えると、このバイラルにしかけは成功の必須項目というよりは、「今どき、これぐらい対応しているのは当たり前でしょ」と言われてる感じもしますね。

むしろ、サービスの本質につながっているのは、まさにサービスの名前となっている「Pin」というメニューの方です。

「Pin」というメニューの名前は、コルクボードにお気に入りの写真をピンでとめるという行動が元ネタになっていると想像できますよね。

Webにおいては、どこかのページを見ていて、「お！これはいい」と思ったら、簡単にブックマークレットを１クリックするだけで、自分のボードにどんどん貯めこんでいけます。

　リンク: Pinterest / Goodies.

To install the “Pin It” button in Chrome:

１クリックすると、Pinterestは画像を集めるサービスですから、その場で画像を抽出してくれるのが、とても便利なわけです。

さらに、自分や誰かが「Pin」した画像を、そのまま「Repin」という１クリックで、これも自分のボードに貯めこんでいけます。

　リンク: Facebook、Twitterの次にくる、話題のSNS「Pinterest」を使ってみた：日経ビジネスオンライン.

その後もツイッターのように、フォローする人を増やしていく。また、人がキュレーションした写真が気に入れば、自分も”Repin"ボタンで、その写真を自分のボードに貼付けられる。共通する興味を持つ人から、美味しそうなレシピや、素敵なインテリアを発見できたりするのだ。

勘の良い人ならもうお気づきでしょうが、これはなんとも実にtumblr的です。私も、最初にPinterestを見たときに、「あれ？これは画像のみのtumblrかなあ」と思いました。

とはいえ！Google+をはじめて見たときに、われわれがすっかりツイッター脳になっていたように、Pinterrestを見たとき、われわれはtumblr脳に既になっているということを忘れてはいけません。

Pinterestがtumblrから採用した手法は、あくまでもサービス内部でのトラフィックを上げるために、tumblrが生み出した手法が都合がいいからであって、彼らは画像限定のtumblrクローンを作りたかったわけではありません。

はい！Pinterestとtumblrはまったく別のサービスなんです！

これは、tumblr中毒者やPinterestをWebからのみ見ていると、とても勘違いしやすいことです。

＜tumblrとは？＞

面白いネタやWebページを共有して、今何が面白いのをみんなで楽しむサービス。共有するのは、ネタであるが、結果的に面白い人を発見することにつながる。

データの流れとしては、以下。

• Web→ダッシュボード→ポストやReblog→タンブラリストのフォロー

＜Pinterestとは？＞

世界で見つけた自分が興味を持っているものを、ボードという形でコレクションして、そのコレクションを共有するサービス。結果的に同じようなものに興味を持っているコレクションや面白いコレクションを発見することにつながる。

データの流れとしては、以下。

• 世界→ボード→PinやRepin→ボードのフォロー

つまり、大事なのはPinterestでは、フォローするのは人ではなく、ボードなんだということなんです。

もちろん、人をフォローすることもできますが、それだとその人のボードを全部フォローすることになります。でも、その人の興味を持っているものを全部フォローする？そんなわけないですよね。

実際に、まだまだボードの数もPinした数も少ないですが、私のフォロー状況を見ると、すでにボード別にフォロー数の違いが出ています。

ね、みんなちゃんとわかってるんです。ちゃんと、ボード別にフォロー数に差異が発生しています。

こんな風に、tumblrとPiterestは全く違うものなので、実は、tumblrで見つけたものをPinterestにポストすることも、Pinterestで見つけたものをtumblrにポストすることも、どっちも意味があるんです。

だから、tumblrとPinterrestは競合せず、tumlblrもPinterrestも、すさまじく伸びているわけです。

　リンク: 12月統計でも伸びを示したTumblr、Pinterest。「ソーシャルインタレスト」はさらに拡大の見込み.

た とえばTumblrについては、新たに300万近くのユニークビジターを集めた。1ヵ月で1590万から1880万へと、18%の伸びを示しているのだ。 一方でオンラインピンボードサービスを提供しているPinterestにつても485万から751万へと、55%の伸びを示している。

もちろん、Pinterestのボードから、その画像をブログに貼ることも、tumblrにポストすることと同じように意味があります。

だから、tumblrの画像ポストにはEmbedがなく、Pinterestの画像ポストにはEmbedがあるんです。

でだ！

このWebからだけ、Pinterrestを見ていても何もわかりません（しつこい）。Pinterestにおいて、ある意味Web以上に重要なのが、iPhoneアプリです。

【Pinterestを使ってしまうと、もうInstagramにはもう戻れない】

Pinterest
カテゴリ: ソーシャルネットワーキング
価格: 無料

PinterestのiPhoneアプリを起動すると、おや？と思う人が多いでしょう。

特にPinterestはtumblrかなあ？と思って起動すると、余計におや？？？と思うことでしょう。

なぜなら、アプリのメニューのど真ん中にあるのは、カメラのアイコンなんです。つまり、PinterestのiPhoneアプリの設計は、アプリを起動したら、写真を撮ることを要求しているんです。

そして、Pinterestを使って写真を撮って、自分のボードに写真をアップしたときにわかったことがあります。

それは、Pinterestが世界を撮るサービスであることと比較すると、Instagramはどこまでいっても写真を撮るサービスに過ぎないことがバレバレになってしまったということです。

Instagramを使っているときに、なんとなくもやもやしていたものが、ずっとあったんですが、その正体はこれだったんです。

だって、私たちは写真を撮るためにアプリを起動するわけじゃありません。私たちは世界を撮るためにアプリを起動するんです。

そう！Pinterestというサービスは、世界をコレクションするサービスだったんですね。

そして、このことは、Pinterestのサイトにも、実はちゃんと書いてあります。

　リンク: Pinterest / What is Pinterest?.

Our goal is to connect everyone in the world through the 'things' they find interesting.

ボードいうコレクションの先には、当然人がいます。だから、最終的には人と人がつながることにはなるのですが、その経路がこれまでのソーシャルメディアとは異なります。

それは人としての面白さでつながるのではなく、そのものに対する興味を表現したコレクションを通じてつながるから、実現されることです。

人は人を発見してつながっていくソーシャルメディアには、もちろんその良さがあります。でも、人という全体でつながるために、どうしても時として、考えや思想や身上や立場などといった概念めいたものがつきまといます。

それはそれで、ものすごく面白いのですが、tumblrのダッシュボードを見るときの妙な居合い抜きのような緊張感はこれが原因です。

Pinterestには、それがありません。そもそもポストするのを画像に限定して、テキストを排除した時点で、それは決まっていたことなのです（flickrが写真限定にしたのが良かったのと同じですね）。

そのおかげで、Pinterestは他のソーシャルメディアよりも、ずっと気楽に見ることができて、自分の好きなものを楽しく見ることができるはずです。

Pinterestを作った人たちは、きっとこう思っているはずだと、私は思います。

ネットを捨てよ、町に出よう

普段、ネットに張り付いている私がいうと、お前がいうな！と言われそうではありますが、私たちはネットが知りたくてネットを見ているのではなく、世界を知りたくてネットを見ているはずなんです。

世界を知りたいから、世界で行動し、それをネット経由でシェアする。どう考えても、こっちの方が健全です。そしてネットジャンキーではない、大多数の人たちに受け入れられる可能性があるということでもあります。

最後に。

ということで、Pinterestの本質をつかまえて、Pinterestを楽しもうと思った人は、ぜひPinterestのWebばっかり見ることをやめてください。

iPhoneとPinterestのアプリを手に、外に出て、世界を見て、どんどんボードを埋めていってください。

あなたのボードがある程度のデータサイズになったときには、そのボードによる人との交流は勝手に始まっているはずです。

まず！ポスト！Pin！しましょう。

そんなこんで、すっかり長くなりましたが、私の「Pinterest」は以下です。

ホント、私、今少し感動してますよ。いやあ、Pinterestすばらしい。

まだまだまだまだ、ウェブサービスは進化しますね。それも「ウェブはみんなを救う」方向にね（行間数万字）。

そうそう！

きっと、flipboardは早晩対応するでしょうね。というか、対応してくれ！頼む！

【追記】

良い子の諸君、Pinterestは自分でpinしないと楽しくないぞ!

— Toshiyuki Masuiさん (@masui) 1月 24, 2012

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投稿:by いしたにまさき 2012 01 19 10:30 AM [pinterest] | 固定リンク

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