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2012.12.10

LINEを正しく理解するためのあまりに常識的な一冊『LINE なぜ若者たちは無料通話&メールに飛びついたのか?』




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私は「ソーシャル疲れ」という表現は、まったくもって好きではありませんが、ソーシャルメディアの流行と広がりとともに、ソーシャルメディアが登場した頃とは違う空気ができている感じには、わりと敏感な方です。

ブログの次にソーシャルメディアが来たとき、そのスピードの速さには驚愕しましたし、参加障壁がどんどん下がっていって、いろいろな人たちのいろいろな言葉が、どんどん出てくることは、とてもうれしいことでしたし、私もコグレさんとのツイッターの共著で、そういう趣旨のことを強調して書きました。

ただ、どんどんスピードが上がり、日々色々なものが流れていき、コンテンツではなく、共有がコンテンツの生成や成り立ちのためにはではなく、コミュニケーションためだけにコミュニケーションが動いていく状況は、歌うためだけに歌うカラオケのようなものにも見えてきます。

もちろん、それ自体は楽しい時間を過ごすために、しっかりと役割を果たしているのですが、それだけではどこか満たされない、すっきりしないという「ソーシャル揺り戻し」という流れも、ここ1年起きてきていると思っています。

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この「ソーシャル揺り戻し」という視点で考えると、コグレさんが、プロブロガーという題材の次に選んだ題材が、LINEであったというのも、納得がいきます。もちろん、プロブロガー本とは、言うまでもなく、ブログ再評価という「ソーシャル揺り戻し」のもう1つの形に他なりません。

LINE なぜ若者たちは無料通話&メールに飛びついたのか? (マイナビ新書)
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LINEは、無料通話やメッセージをベースにして、そこからグループチャット立ち上がっているという方向を機能として、サポートしています。

それは、そのままどんどん公開してシェアしていくというソーシャルメディア的な振る舞いとは違います。

まずは1対1のやり取りがあり、そこからある程度知った人たちがおしゃべりをする場に広がっていっていって、友人たちの間の重要なツールになっていっているのです。

LINEの普及が、アーリーアダプターから一般層へ普及したのではなく、一般層のボリュームが無視できないサイズになってから、アーリーアダプターが使うようになったという従来とは違う流れになったのは、この「ソーシャル揺り戻し」の結果と言えるでしょう。

そして、このソーシャル揺り戻しのことを論理的に市場規模なども交えつつ解説してくれているのが、まつもとさんが担当する後半部分です。

特に6章「LINEが示すインターネットの未来」がいいです。

私は、一応こっち方面の人間ですから、ある程度はわかってはいたものの、こう整理してくれる人が出てきてくれることを待っていたのだと思います。

さて!

私はこの本においては、インタビューを受けている人間の1人ですので、そのインタビューについて触れないわけにはいきません。

順番でいくと、私からになってしまうのですが、順番ですから、そのままいきましょう。 ということで、まず私です(笑)。

首相官邸でのLINE公式アカウントの導入に至るには、3.11東日本大震災以降の官邸でのソーシャルメディア活用という流れがあり、その次の一手として、LINEの導入が決まったのは、インタビューで回答させていただいている通りです。

先日の地震でも、早速LINEによる70万のフレンドへのメッセージがはじめて実施されました。

リンク: 地震で「LINE」のメッセージ送受信量が2倍に - ITmedia ニュース.

LINEの首相官邸公式アカウントからは地震発生後、津波警報が配信された。

この先、どう運用されていくかは、まだまだこれからですが、まずは第一歩を踏み出したことを、ご評価いただければと思います。

そして、舛田淳さん。

個人的には、舛田さんの話は、他のもろもろでいろいろと聞いてしまっている部分もあるので、やはり気になるのは、今後のAPIの扱いですね。

LINEは、サービスの成長と比較すると、次の一手を非常に慎重に選びつつも、新機能がリリースされるときは、がつっとくる印象が強いので、そのタイミングが楽しみです。

また、インタビューを読んだ人なら、もうお分かりだと思いますが、舛田さんが、とても楽しそうにLINEの戦略を練っている空気が伝わってきて、とてもいいインタビューだと思いました。あと、やっぱスタンプの話がいいです、すてき。

そして、個人的にいちばん感銘を受けたのは、夏野剛さんのインタビューです。

海外におけるスマホ(というかiPhone)の革命と、iモードのおかげで世界とか全く違うモバイルの世界を持っていた日本という、今のスマホ全盛期につながる、それも日本と海外であまりにも状況が違うということを、ここまで端的に話がされたテキストを、これまで私は読んだことがありません。

もう、このパートというか、P.209からP.211を読むだけでも、この本を読む価値があります

そして、なぜこの話が大事かというと、この夏野さんが話してくれる携帯電話の歴史の理解なしにLINEを理解することなんてできないからです。もちろん、その歴史をこの文字数で説明する夏野さんすげーってことです。

そして、その歴史的理解を踏まえるからこそ、その後夏野さんのLINEへの認識というのが、すっと話として入ってくるわけです。

これは、いいインタビューだなあ。インタビュアー、ナイスです。そして、本としてもきれいにしまってます。

ということで、老婆心的に整理すると、LINEという現象をわかったつもりになっている人たちにこそ、この本は読まれるべきだと思いました。はい、おすすめです。

LINE なぜ若者たちは無料通話&メールに飛びついたのか? (マイナビ新書)
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投稿:by 2012 12 10 10:30 AM [書評, 献本] | 固定リンク

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