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2013.02.22

飯野賢治さんに心よりお礼を申し上げます




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このエントリーはごめんなさい、ホントに好き放題書きます。

なので、この記事でなにか不快な気持ちや批判をしたくなっても、ほっといてください。この記事はそういう記事です。

 リンク: 朝日新聞デジタル:ゲームクリエーター飯野賢治さん死去 「Dの食卓」作者 - おくやみ.

1995年に代表作のゲームソフト「Dの食卓」を発表。00~04年、朝日新聞家庭面で、10代のための人生相談「ティーンズメール」の回答者を務めた。

飯野賢治さんが亡くなりました。飯野さんは、一度倒れて、でも見事に復活して、さらにここからというタイミングだったと思います。

 リンク: eno blog.

思いますとしているのは、ここ1年ぐらいはご無沙汰してしまっていたからです。私は、ゲーム作家としての飯野さんの大ファンではなかったけど、ツイッターを通じて知り合った飯野さんは、大好きでした。

バカなことに、同い年だったことを訃報で知った私ですが、私にとって飯野さんは、ネットにおける畏怖すべき先輩でした。別に飯野さんは、こわい人じゃないんですが、うっかりめったなことを、この人は言えないぞという意味です。

でも、なんかよくわかんない流れで、iPad発売前夜の表参道に2人で、並んでいる人たちを応援というかからかいに行ったことなんかもありました。電子書籍やってもいいかもねー、とか、ホントよく私なんかと言葉をかわしてくれたことを、当時も今も感謝しています。

あのゲームの飯野さんが、なぜネットでツイッターなのかということについては、われわれに残されたログ()で、十分理解できるはずなので、ここでは多くは言いません。

 リンク: Twitterブログ: Biz Stone×乙武洋匡さん、飯野賢治さん対談(字幕付き動画).

そして、幸運なことにわれわれには、さらにログが残されています。

Video streaming by Ustream

 リンク: 「ソーシャルメディアで変わるコミュニケーション」 - OpenCU.com.

このセミナーは、私が見たこういうもの中でも、何本かの指に入る素敵な内容で、そのときに取ったメモをここに貼り付けます。

・ツイッターは回転寿し、時間は重力的に作用する
→マスメディアとオレメディア
→編集権の移動、TLを作っているのはオレ
→自分が編集できること
→他もどんどん編集できるようになればいいじゃん
→自分で編集できる状況をどう考えるか
→次はフィルターだよね
→なんてことはない人力だったんだよね
→ツイッターってリプライしなくていいのがいいんだよ、メールや会うとは違うレイヤー
→ツイッターやtumblrってレゴみたい、つまりすべて自分仕様にできる
→情報をフォローするんじゃなくて、人をフォローする

・誤解とコミュニケーション誤解があればあるほど、コミュニケーションは進む
→ツイッターは誤解が発生しやすい
→誤解されると盛り上がるw
→情報を伝えるのが大事なのではなく、興味をもってもらうことが大事
→アクションを起こさせるのが広告の仕事
→英語はもっとかけないから、アテンションのみ

・今と生
→人がコストをかけるものが変わってきた
→ライブで得られた価値こそ大事
→伝える主題が昔はなかった
→コンテンツがゼロ円に近づくのはしょうがない
→CDではなくライブで稼ぐ、これが本来の健全な姿
→人が持っている価値はコンテンツだけじゃない
→ustと現場は違う
→流すと場の価値は上がる
→そこにはustで伝わる価値はない
→ustはながらができるし、音楽を聞きながらおしゃべりができる

・これからのコミュニケーション
→分散と役割
→1:1が進化していない
→人の輪郭が見える
→全部ではなく部分
→ノイズは脳がカットしてる
→電車のケータイは気になる、会話が変化してる

・リデザイン
→新UIの設計、ツイッターサーフィン
→デザインのデザイン
→当たり前のものをデザインしなおすとどうなるか、例えばトイレで隣の個室に雪男が現れたらどうなるかw
→インタラクションと世界観は密接に関係している、どう操作するか?
→Dの食卓は、CDのローディングというハードウェアの制約があったから、映画を分散して細切れに見せるというやり方を選んだ、そのためにはホラーという恐怖を持ち込むのがちょうどよかった

・人の行動とモバイル
→人からもらえる情報が大事
→自分を出すことと作ること
→自分をどこまで出すか?、ツイッターアイコンに何を出すか?、そこが分岐点

・一次情報をどう捉えるか?
→レイティングは???
→Googleはレイティングをしないという意思
→わかんないままほっとくという状況を作っておく
→検索エンジンはインタラクションがない
→情報取得するのに苦労したことっはなかなか忘れない
→気になっていることのリストが大事なのでは?
→発言者とのかけ算で情報を考えるのがツイッターでは大事では?
→人は集まると自然と上を見る、だから中刷りは上にある
→カスタマイズや編集はどこにある?
→インタラクションが記憶に留める

・人の現在
→人のアイデンティティは属性だった
→そういうのが全部壊れてなくなった
→自分がしゃべっているのが自分のアイデンティティ
→人と人をつなぐものが見えなくなるところまで見届けたい
→自分の価値が分割して自走する
→よくわかんないことをこわがらない
→自分の過去しか言わない人が意外に多いよね
→過去を整理しているひまがあったら、未来のビジョンを描け

・教育はずっとひっかかっているテーマ
→中途半端にはできない
→小中一貫教育にしたら、中学生が小学生にセクシャルな問題が起きてる、こんなことは誰も想像していなかった
→子供はあんまりほめられていない
→小学校のときにゲームの賞を取った、その賞をくれたことって評価じゃなくて未来への投資だったんだ!
→審査員を引き受けたときは、審査員の賞を上げるだけじゃなくて、コメントとプレゼントを送る、それで子供の人生変わっちゃったりする
→つめこんでから応用、応用にはほめるのがセット
→勉強は教え合うのがいちばん成績伸びる

・余談
→情報の価値はみんなが知っているかどうかで変わってしまったりする
→ツールは平均化が起きやすい
→個性という名の無個性
→自分でルールを設定する
→きづけばツールの奴隷はこわいよ

故人を、それも言葉を交わした故人を鬼籍に追いやることが、どういうことなのか、それなりの年齢になって、何人も見送ってきた今となっても、よくわかりません。

でも、私にできることは、もらった言葉をかみしめて、自分とそれ以外の未来にもつなげていくことぐらいです。だから、どうにもならないとわかっていても、こんな記事を書いています。

最後に自慢というか、私の誇りとなっているツイートで、この追悼エントリーを終わります。

飯野さんにこんなこと言ってもらったおかげで、私は今でもくじけないで写真を撮っているし、写真の本を出す勇気も持てました。

この恩は、一生忘れません。飯野さん、ホントにありがとうございました。


【追記1】

このモダシン・レディオショーは、歴代でも最高の1つ。ホント、飯野さんって、こんなに陽気な人だったんですよ。

 リンク: Modern Syntax Radio Show 230回目 - @hitoshiさんの巻 - [モ]Modern Syntax.

まさかそんな飯野さんによって番組がぐちゃぐちゃになるとは思いもよりませんでした。

モダシンさんが、収録していて、ここまで困った感じになったのは、あとにも先にもないんじゃないかな。現場は笑いすぎて涙が出ていましたよ!ニューリッチ!

 リンク: 飯野賢治さん死去にあたって。 - [モ]Modern Syntax.

今改めて聞くと「世界の飯野が俺のポッドキャストをだめにするw」とか「エネミー飯野!」とか好き勝手言ってますね。

【追記2】

コグレさんも、追悼文を残しています。

 リンク: [N] 飯野賢治、死去.

一時、プッツリとオンラインから消えたことがあったので、飯野さんのツイートを見かけるだけで安心していたのですが、リプライすれば良かった。そして返事を貰えば良かった。悔やまれます。

これ、ホント同感です。なんで、遠慮しちゃったんだろうと思います。でも、そういう緊張感のある関係が、私は大好きだったんです。

【追記3】

さらに、もう1人。ホント、飯野さんすげえやさしい人でした。

 リンク: 死の輪郭 : オーシャンブリッジ高山のブログ.

その後、僕が入院・退院を経てこのブログに病気のことを書き始めた頃には、飯野さんはブログを読んでくださり、Google でいろいろやり取りさせていただきました。病気のこと、入院生活のこと、脳機能のこと、自由意志など、飯野さん自身の入院、闘病体験を含めて、いろいろお話しさせていただきました。

ホント、自分で故人の言葉をかみしめるしかないんですよね。

【追記4】

飯野さんの作品はゲーム。だから、いまでも実質見ることができないものも多いです。
 リンク: 飯野賢治企画監督作品「風のリグレット」の脚本.

だから、こういう追悼の仕方もあるのですね。

【追記5】

さらに。

 リンク: newtonicaシリーズをフリーで配信 | Route24Web.

作家が亡くなったって作品は生きているのだ。

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カテゴリ: ゲーム
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newtonica2 App
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newtonica2 resort App
カテゴリ: ゲーム
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【追記5】

メディアで見た記事の中で、いちばんよかったと思ったもの。変に修飾せず、そのままの言葉を残すことが、いちばんの哀悼だと考える姿勢に共感します。

リンク: 追悼・飯野賢治さん(享年42) | おしらせ | クローズアップ現代 スタッフの部屋:NHK.

このブログでは、「クローズアップ現代」のご出演回の中で、飯野賢治さんが発言されていることをテキストで再録することで、哀悼の意を表したいと思います。

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投稿:by 2013 02 22 12:25 AM [魂(ハート)] | 固定リンク

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