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2013.03.12

掛け値なしに他にない一冊、下村健一著『首相官邸で働いて初めてわかったこと』




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過去にかなりの数の献本をいただいていますが、こういう献本は、私も始めての経験です。

  • 元ボスが退官後に書いた本
  • 本に書かれている時期、同じ時間を過ごしている本
  • にもかかわらず、私が知らないことが膨大に書かれている

正確には、私の上司だったわけではないんですが、私の中では「元ボス」と勝手に思ってます。

で、その元ボスというのは、2012年10月まで内閣審議官を努められた下村健一さんです。

DSCF0390.JPG

首相官邸で働いて初めてわかったこと (朝日新書)
4022734973

ここで言うまでもないことですが、下村さんと私では、立場から内閣広報室でやっていることから、何もかもが違います。

あちらは、審議官でこちらは一民間の協力者である内閣IT広報アドバイザーです。つまり、やっていることの範囲が余りにも違いすぎるんですね。

しかも、東日本大震災から政権交代と続く時期で、正直官邸で起きたことについて、下村さんとゆっくり話す時間もありませんでした。

下村さんの退官当日のことは、ツイッターに記録が残っています。

この内容については、さらにインタビューでこう説明されています。

 リンク: SYNODOS JOURNAL : 下村健一氏インタビュー【広報室審議官編】 震災、原発、首相交代 ――霞ヶ関広報の変化の芽を、過去形にしたくない 難波美帆.

そのときにぼくは、この2年で内側から見た、「政府の考え方、物事の決め方」という話も、みんなにしていきたい。マスコミがしないから。ただ、そこに、今までの2年間とは違って、「この点はおかしいけどね」という批評眼も、また織り込んでいきたい。プラス専門の政府広報でも、マイナス批判一辺倒のマスコミ報道でもない、是々非々の見方で、小さくても情報発信の第三極になれたらなぁ、と思います。それが、税金泥棒の罪滅ぼしです。

そう、この流れの中での著書の第1弾が、この本なわけです。

プロローグは、こう始まります。

リンク: 「下村健一」公式ウェブサイト -ケンボーの走り書き.

昨年秋、任期満了して民間に戻って来てから、僕は友人・知人に会うたびに「この二年間はどんな日々だったの?」と訊かれる。そんな時、彼らが一番知りたいのは、その間に施行(あるいは断念)された政策の細かい中身ではなく、マスコミが好んで描く政局の力学でもなく、《一体あの首相官邸というブラックボックスの中では、人々はどんな会話をして、どんな事を考え巡らせて、どんな理想を信じたり諦めたりして物事を決めていっているのか》、という基本的なことなのだ。たしかに、格調高い官邸内幕本は数あれど、そういう疑問に平明に答えた本は、今まで殆どないだろう。ならば、それに応えることだけを目的としたシンプルな現場リポートを書こう。「私」でなく「僕」という目線の高さで。 玄人ウケしそうな裏読みや憶測、講釈は加えない。自分が直接タッチした以外のことは、無責任な伝聞になるので書かない。アレはオレがやったんだぜ、と実際以上に吹聴する〝アレオレ詐欺〟も慎む。悪者探しや愚痴や弁解のためでなく、《じゃあ、どうしたらいいのか》今後のヒントにするために、見たまま・体験したままを、とことん素直に書いていきたい。

なんとも下村さんらしい話の始め方だと思い、そして、早速読み始めたのですが…。

話が東日本大震災に至り、今も運用されている官邸災害ツイッター(@kantei_Saigai)の話が出てきたところで、私が登場していました…。

本を読んでいて、「ひゃああ」と声が出てしまいましたよ。というか、聞いてないですよ!下村さん…。そして、なんというか、ホント当時のことを評価していただいて、とてもうれしいです。

なお、この本にも書かれているように、私は現在も内閣広報室 内閣IT広報アドバイザーの仕事を続けています。

それは、そもそもアドバイザーという仕事が、政治ではなく行政への協力であったこと、そして、まさに下村さんが強調されているように、東日本大震災をきっかけにして変化した政府とIT広報の流れを止めたくないからに他なりません。

この本は、読めばわかることですが、マスコミとそのジャーナリズムを知り尽くした人が、霞ヶ関で未曾有の事態に直面したという現場レポートです。

だから、新書ではありえない分厚さになっているわけですが、そこはさすが下村さん、とても読みやすく話が理解しやすくなっています。本を読んでいるというよりも、下村さんが話をしているのをうんうんと聞いている感じです。

改めて、東日本大震災当時、官邸で何が起きていたのか、私が自分で知らないことを知るという意味でも、そしてもちろんみなさんが知るという意味でも、まさに他にない一冊になっています。ぜひ、ご一読を。

首相官邸で働いて初めてわかったこと (朝日新書)
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投稿:by 2013 03 12 10:46 AM [献本] | 固定リンク

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