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2013.06.27
Adobeさんによるブロガー向けCreative Cloud講座:インデザインによるKDPとデジタルパブリッシング編
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Adobeさんによる「ブロガー向けCreative Cloud講座・IndesignによるKDPとデジタルパブリッシング編」に参加してきました。アドビさん、ありがとうございました。
この講座は、以前Light room5について、Adobeさんといろいろお話させてもらった延長線に出てきた企画。
でね、なんで、こういうことをしているかというと、なんというか双方にメリットがあるからなんですよね。
整理すると、こんな感じです。
- Adobe製品はプロのためのツールで敷居が高いというイメージがある
- でも、クリエイティブクラウドになって、月額で利用できるので、必要なときだけ使うということができるようになった
- でも、いままで熱心なユーザーじゃなかったので、どうもとっつきにくい
で、じゃあどうすればいいの?ってことで、相談してみると、「ユー、いいからまずはお試し版使ってみてよ」ってことだったので、アドビIDを取得して、一応使ってみたわけです。
で、途方に暮れた。
私の人生の中で、アドビ製品をそれなりに真剣に使ったのって、大昔にデジタル放送の仕事を請け負ってたときに、プレミアをちょっと使ったぐらいで、特にこの数年は、ほとんど触りもしてこなかったんです。なので、基本的なお作法がちっともわからない。
だから、途方に暮れた。
でもね、特にインデザインは、KDPのために必要なePubを作るツールとして、やっぱり気になっていたので、素直にアドビさんに「途方に暮れた」とお伝えしたわけです。
そしたらね、「ユー、ちょっと講師用意するから、ちょっと来なさいよ」となったのが、今回の経緯というわけです。
そして、講座当日、講師は自社製品をこの子と愛情たっぷりに呼ぶ「いわもとぶろぐ」の岩本さん。
ちょっと、すごい講師来ちゃったよ!ということで、インデザインとデジタルパブリッシングとePub(KDP)のお話なのであります。
まずは、そもそもインデザインって、なんのさ?って話からー。
- 最新版は、InDesign(インデザイン)CC
- とにかく、本を作るアプリケーション
- 日本語の縦組みの組版に対応
- 昔は、重いって言われたけど、この10年でデファクトになった
- ファイル作成は、基本ドキュメントから、ドキュメントが溜まってきたら、ブックを作成
- 写真を文字を構成するためのアプリ
- 文字を選ぶと文字ツールに切り替わる、写真を選ぶと写真ツールに切り替わる、使いやすいでしょ!
続いて、デジタルパブリッシングの話。
- インデザインは、紙の紙面を作るツールだったが、最近はデジタルパブリッシングにも力を入れている
- インデザインから、いきなりiPad向けのアプリとか作れちゃう
- インタラクティブ対応
- 効果測定可能
- Push対応
- ソーシャル対応
- アプリで配布したコンテンツは、デフォルトでブラウザー対応済
- ブラウザー上での、試し読みコンテンツを別途用意する必要なし
このインデザインで作られたiOS向けのアプリのサンプルを教えてもらったのですが、なんと私も愛用しているCanonが配布しているレンズカタログがそうでした。
Canon Camera Handbooks
カテゴリ: 写真/ビデオ
価格: 無料
このカタログで、紙では絶対にできないレンズの説明をしまくっていて、超好きなアプリなんですが、それがまさかインデザインで作られていたとはねえ…、驚きです。ブリキにたぬきに洗濯機です。
なお、私が連載を書かせてもらっている毎日新聞TAP-iも、同じくインデザインで作られていました。
【7月1日号】本を裁断せずにスキャンできる非破壊スキャナー。ブロガー・リレーコラムでいしたにまさきさんが「あたしいテキストを生み出す発火装置」と賞賛です http://t.co/Wuiwu1NGTv ※PCで中央右下の△で進む pic.twitter.com/NoQr3vIccd
— 毎日スポニチTAP-i (@mainichi_tap_i) June 30, 2013
なんだ、もうお世話になっていたんだ…。
毎日スポニチTAP-i
カテゴリ: ニュース
価格: 無料
なんか知らないうちに、インデザインすごいことになってるなあ。
とはいえね!
とりあえず、私の用途は、KDP向けのePub作成なわけです。
リンク: ePub作成・DTPソフト | Adobe InDesign CC – 機能.
新機能が搭載され、InDesignから簡単に高品質なEPUBファイルを作成できるようになりました。目次やCSSの書き出しをきめ細やかにコントロールし、よりシンプルな方法でCSSの編集を行うことができます。オブジェクトのスタイルを適切に書き出せるように、タグにマッピングすることもできます。
ということで、以下ePub関連のことです。かなり、大事な内容が入ってます。
- InDesignCS6までのePubの書き出しは、ePub2.0までにしか対応していなかったが、InDesignCCでは、ePub3.0に対応
- つまり縦書もルビにも対応してます!
- アマゾンが配布しているInDesignのプラグインは、アマゾンが作ったものなので、アドビとしてはなんとも言えない
- KDP(kindle direct Publishing)へは、ePubを書きだして、Kindle Previewerでレンダリングするのがおすすめ
- Kindleのツールは、常に最新版をインストールしておいてください
で、岩本さんに話だけだとわかりにくいところがあるので、実際のファイルを使って、その場で、ePub書きだしの実演をしてもらいました。
左が、Kindle Previewerの画面で、右がIndesignの画面。
おお!、ちゃんと縦書もルビも問題なく表示してますね!
そして、KDPでは鬼門の写真とテキストが混在したページ。
同じく、左が、Kindle Previewerの画面で、右がIndesignの画面。
右の画面は、わざと大げさに写真を大きくしてもらったのですが、レイアウトがそのまま反映されているわけではないのですが、要素としては、写真とテキストが正しい順番で、見出しを壊すことなく表示されています。
よし!これなら使えるかもしれない!
つまり、文章であるテキストと必要な写真やイラストを用意して、Indesignでまとめて、目次・見出し・文字サイズなんかを調整して、ePub3.0で、書きだしすればいいわけです。
ちょうど、アマゾンが配布しているKindle向けのツールも、やっとiOS実機テスト向けのファイルを生成してくれるようになりましたしね!、やっとか!
リンク: Release Notes Version 2.9
Kindle Previewer will convert such e-books to .azk format, for sideloading via iTunes. You can then view these books on your iOS devices using their Kindle apps
こういう高度なレイアウトツールを使うと、得てして無駄なものが入り込んで、ePubファイルにしては、巨大なファイルサイズに成りがちなんです。
でも、いただいてきたサンプルで使ったファイルを確認すると、Indesignが書きだしたファイルは、不要に大きくなっておらず、けっこう質のいいePubが生成されていそうです。
で、こうなってくるとね。
いわゆるプロの紙の本を作るIndesignというアプリではなくて、KDP向けのソリューションという考え方で整理して考えると、これはけっこういいなと思うんです。
どういうことかというと、KDPでもなんでもいいのですが、最後の本をレイアウトする工程というのは、ホントに最後の最後なんですよ。
そこまでに、中身のテキストを用意したり、必要な写真を用意する方が、ずっと手間も時間もかかるんです。
そして、アドビ製品は、現在クリエイティブクラウドのおかげで、使う月だけ月額を払うことで使えるんです。
つまり、KDPで本を出すということだけを考えると、出版直前の最後の月だけお金を払えばいいんです。
まあ、月5000円をどう捉えるか?ですが、1回飲みに行かなきゃいいわけですからね(笑)。
しかも、クリエイティブクラウドなので、どうせフォトショップとかイラストレーターなんかも使えてしまいますから、表紙画像のクオリティ向上にも効果的というわけです。
なんだ、クリエイティブクラウドって、ワークフローと合わせて考えると、すばらしい仕組みじゃないか!
リンク: ざっくりわかる、新しい Creative Cloud まとめ.
ということで、KDP本の作者のみなさんにIndesignを推奨するのも悪くないなあと思った次第です。
もちろん、KDPなので、インデザインのフル機能を使って、バリバリに組版したレイアウトは、ほぼKDPには反映されません。
だから、KDPの限界を理解した上で、まさにワークフローの改善ツールとして、使うのがいいと思うんですよね。
私としては、縦書とルビを見たままで編集できて、ePubに書き出せるだけでも、かなりのストレス軽減になります。
ちょうど、準備しているKDPの企画があるので、そこで早速IndesignでKDP本を作るということをやってみるつもりです。
これは、ちょっといいぞ。うひひ。
あ、講座の後は、ふたごでカルビ食べつつ、懇親会して参りましたー。
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投稿:by いしたにまさき 2013 06 27 03:33 PM [KDP(キンドルダイレクト・パブリッシング)ブロガー向けCreative Cloud講座] | 固定リンク
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