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2013.07.26
ホンダがセナの走行データで世界最高レベルのAR技術を使ってみせてくれたログデータのすごさ
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HONDAが1本のYoutube動画を公開しています。これは、ホントにすごいものを見せられた、、、。
個人的には、自分が見たYoutube動画の中でも、歴代何本かの指にまちがいなく入るすごい動画です。すでに、10回以上見てます。
でも、何度みても見飽きないどころか、最後に出てくるメッセージの意味を、いろんな角度から、いろいろと考え続けています。
リンク: Ayrton Senna 1989.
この動画の最後は、こんな言葉が出てきます。
「あの日、セナの走りを支えていた技術を。今すべてのドライバーのために」
そして、この動画が HondaのinternaviのPR/広報の動画であることを、われわれは知るわけです。
internavi Pocket
カテゴリ: ナビゲーション
価格: 無料
そして、そこには「走行データでドライブをデザインする。internavi」とキャプションが残ります。
この音だけのセナの動画に続けて、この2つの言葉を並べてくるホンダさん!ホンダさん!、まじでかっこいいっす!
そして、今は最初はついてなかった英語のキャプションも入っています。
- 今すべてのドライバーのために=Now for your perfect driving experience.
- 走行データでドライブをデザインする=Driving with the power of data.
こういうメッセージには、やっぱ英語って言語は向いてますね。
さて、このホンダ動画「Sound of Honda/Ayrton Senna 1989」の何に感動しているかというと、それはデータ取得に対する企業の姿勢なんです。
その姿勢のすごさの前では、正直「セナの音を再現した」とか「鈴鹿サーキットにスピーカーを並べまくった」なんてことは、枝葉です。
ビックデータということが言われる前からずっと、個人のデータを企業がどう取得して、どう扱っているのかということは、ネットの大きなトピックスでした。
セキュリティとか、情報の開示とか、オプトインとかなんとか、いろいろなものがありますが、そこは、本丸だと思ってません。
問題は、自分が提供したデータがどう使われるのか?ということに対する期待感です。ホントに役に立つかどうかなんてことは、そのデータが使われるときになるまでわかりませんから、事前に検証することなんてできません。
でも、この期待感があれば、人はデータを託します。そして、その託されたデータが未来を作るのです。
そして、その期待感の演出という意味では、「セナ・ホンダ・マクラーレン・鈴鹿サーキット」という舞台で、夜に光と音でデータを可視化する以上のものがないことは、ちょっと車に興味があれば、すぐに伝わることです。
さて、ここでもう一度ホンダが取得し活用しようとしているデータとはなんなのか?ということを整理しておきましょう。
- セナは、レース場での走行の速さのために=F1のテレメトリーシステム
- 普通のドライバーにとっては、一般道と高速道路走行の快適さと安全のために=internavi(インターナビ)
ということは、ホンダのデータというのは、「走っている実車からデータを収集して、車の走りのためにドライバーに情報を整理してフィードバックする」と考えていいでしょう。
そう!
メーカーである自分たちのためにホンダは、データを取得しているのではなく、ドライバーであるわれわれのために、そのデータは存在しているのです。その企業姿勢というのは、ユーザーであるわれわれに伝わらないわけがありません。
インターナビで提供されているアプリというのは、このドライバーのためにという思想で基本貫かれています。
Sound of Honda
カテゴリ: エンターテインメント
価格: 無料
リンク: Honda iPhoneアプリケーションズ|インターナビ ポケット.
そういう会社だから、東日本大震災のときは「通行実績情報マップ」をしれっと提供するんですよね。
そして、それを進化させた「インターナビ安否確認システム」というのも、すでに開発されているわけです。
そんなわけで、当時のホンダがすごかったとか、セナがすごかったなんてことは、当たり前すぎる話で、ログデータを残すということが、どれだけ未来に夢を残すということなのかという意味で、この「Sound of Honda/Ayrton Senna 1989」のメイキング動画をどうぞ。
「データの残り方は、どうでもいい。紙でもなんでもよくて、とにかく残っていることが大事なんだ」ということが、ホントによくわかるメイキングです。
なんで、ホンダはここまでやるんだろうか?と思うわけですが、これは、プロジェクトの規模とか、そういうことじゃなくて、やっぱこれがホンダスピリットってやつなんだと思います。
ええ、ちょっと言いすぎかもしれませんけど、私、次に車を買う機会があったら、ホンダ車を買おうかなと思いましたよ。うん、ホントホント。
▼1/20 マクラーレン・Honda MP4/5 モナコGP 1989年 (GP16)
【追記】
ツイッターで、この「Sound of Honda」にかかわった方のコメントを教えてもらいました。
ああっいしたにまさきさん @masakiishitani が「Sound of Honda」を激賞されてる! http://t.co/oRHPs2r5vt 菅野さん @suganokaoru のコメントと一緒にどうぞー! http://t.co/zcukZQEIiF
— akiko_saito (@akiko_saito) July 26, 2013
【さらに追記】
▼F1ビジネス―もう一つの自動車戦争 (角川oneテーマ21)
リンク: F1ビジネス、企業スポーツからの脱却 by 田中詔一HRD元社長 : F1通信.
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投稿:by いしたにまさき 2013 07 26 10:30 AM [オタクが世界を救う] | 固定リンク
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