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2013.08.02

日本の航空事情すら知ることができる自家製ジェット機の個展「OpenSky 3.0」を「風立ちぬ」を見たら見に行こう #opensky3331




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みなさん「風立ちぬ」を見たら、そのまま秋葉原で今作られている飛行機を見ましょう!

ということで、八谷和彦さんの個展、いやこれ個展といっていいのかわかりませんが、とにかく例の空飛ぶアレのプロジェクトの展覧会である「OpenSky 3.0」にお邪魔してきました。

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  • 八谷和彦 個展「OpenSky 3.0 ―欲しかった飛行機、作ってみた―」http://hachiya.3331.jp
  • 日程:2013年7月13日(土)~ 2013年9月16日(月・祝)
  • 時間:12:00-19:00(最終入場18:30)
  • 休み:毎週火曜日、夏期休暇(8月13日~16日)
  • 料金:大人500円、大学生・高校生300円、中学生以下無料
  • 会場:1F メインギャラリー

 リンク: 八谷和彦 個展「OpenSky 3.0 ―欲しかった飛行機、作ってみた―」:3331 Arts Chiyoda.

「OpenSky」は、メディアアーティスト・八谷和彦氏が2003年より開始した「個人的に飛行装置を作ってみるプロジェクト」です。機体の基本設計、実験機の制作、低高度の試験飛行を経て、ついに2013年、ジェットエンジンを搭載して飛行テストを開始します。

八谷和彦氏は3331と地域との繫ぎ手となるコミッションワーク・アーティストでもあります。これまで羽ばたき飛行機を飛ばす「空フェス!」や、3.11直後の放射能測定をめぐる混乱に対処する「ガイガーカウンター・ミーティング」などを開催。そして本年ついにメインギャラリーで個展開催となります。

「ニコニコ技術部やMakerムーブメントのように”大人げない大人が本気を出して作ったもの”がおもしろい」そう語る八谷氏の言葉を体現するように、会場には「OpenSky」で制作されたグライダーや自作航空機が登場。

また、自らの手でロケットを開発し、最終的には宇宙征服を企む謎の秘密結社「なつのロケット団」による、民間ロケットプロジェクトの展示も同時開催します。

なにかがおかしいと思ってみなさんは、とても鋭い。ええ、この展覧会は、これから開催される展覧会。

展覧会というものには、大抵プレス向けの内覧会というのがあるのですが、今回のは、それよりもさらに早く開催された「OpenSky 3.0」ブロガープレビューだったわけですよ。

 リンク: お知らせ:NEWS:3331 Arts Chiyoda:アーツ千代田 3331:3331 ARTS CYD:「OpenSky 3.0」ブロガープレビュー開催!.

「M-02」や「M-02J」などを間近でご覧いただきながら、OpenSky 3.0展の会場ができあがっていく様子や八谷氏へのインタビューを行なって頂けるこの機会に、ぜひご取材ください!

ということで、内覧会前の展覧会βとも言える内容。たしかに、1つや2つ完成していない展示もあったりして、それも含めて、とても楽しませていただきました。

といっても、メインの展示は、もうばっちりすぎるほどの完成品でしたよ。

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で、今回参加させてもらったのは、ずっと前から八谷さんが、それもかなりいろいろと無茶な方法で、空を飛ぼうとしているのは知っていて、単純に「八谷さんは、なんで飛行機なんて作っているんだろう?」ということを聞きたかったんです。

飛行機を作る、それもジェットの無尾翼機を作るというのは、ちょっと考えただけでも、かなり無理で、試練の高そうな試みです。

だって、単に空を飛びたいとか、飛行機をオレ風に改造してみたいというのとは、あまりにも次元が違いすぎます。

そもそも、国産メーカーまで含めても、2006年のHonda Jetの事業化ニュースが大々的に報じられたぐらいに、そもそも日本では飛行機なんて作ってないんですから!

ということで、この「OpenSky 3.0」に至るまで、「M-02」や「M-02J」という2つの機体を作るまでに、八谷さんは10年という歳月を必要としたわけですが、冷静に考えれば、よく10年でここまでたどり着いたと思うんです。

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そして、またこの時期に、ジブリがひさびさに飛行機が主役となる映画を公開するというのも、運命のめぐり合わせというしかないですよね。

 リンク: 風立ちぬ メッセージ.

私達の主人公二郎が飛行機設計にたずさわった時代は、日本帝国が破滅にむかってつき進み、ついに崩壊する過程であった。しかし、この映画は戦争を糾弾しようというものではない。ゼロ戦の優秀さで日本の若者を鼓舞しようというものでもない。本当は民間機を作りたかったなどとかばう心算もない。

ということで、前置きはこの辺にして、メイン展示である飛行機の話をいい加減にしましょう。

▼M-02(グライダー)

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まず、驚くのが重量。これで、66kgしかない。飛行機のタイプとしては、ゴムひもでひっぱるグライダーとはいえ、やっぱり飛行機って、とにかく軽く作らないといけないんですね。

そして、大きさはざっと六畳敷。でも、1枚の翼がどーんとあるので、もっと大きいものに見えます。

もっと飛行スピードを上げれば、小型化することも不可能ではないそうなんですが、そうすると危険度も上がるということで、この大きさに落ち着いたんだそうです。

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この上部の手すりのところに、パイロットでもある八谷さんが乗るわけです。いやあ、これに乗る勇気、やっぱすごい。

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で、飛行機について、くどくど書くのは、この記事の趣旨ではないですし、展覧会でどこを見るべき?ってことを伝えたいので、もうここだけは見ないとダメ!ってところを書きます。

それは、この飛行機の特徴であり、設計の中核である翼の形状です。この翼は、もう上から下からと見る角度を変えまくって、ぜひ見てください。

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どうです?わかりますか?

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そう、一見のペーっとした1枚板のように見えるこの翼。実は付け根と端の2ヶ所で、ぐっと角度がついているんです。

この角度があることで、実は1枚の翼が複数の役割を果たしていて、この設計の妙は実にすばらしいと、あとで説明する「なつのロケット団」の展示にきていた飛行機のエンジニアの方が、説明してくれました。だから、尾翼がなくても安定するというわけなんですね。

これが、機体の設計を担当された有限会社オリンポスさんの匠の技を感じられる部分なので、ぜひこの翼と角度の妙をじっくりと味わって愛でてください。

M-02の金沢での滑空の様子は、以下でどうぞ。

なお、このM-02は、八谷さんの作品として、『金沢21世紀美術館』の収蔵品となっています。

で、ここまでは「OpenSky2.0」。

いよいよ、ジェットエンジン付きの機体です。

▼M-02J(無尾翼ジェット機)

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さすがに、ジェットエンジンが換装されているので、ぐっと重くなっていますが、それでも、88kgです。

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一見してわかるのが、八谷さんが乗るコクピットに部分が一気にメカメカしくなっています。

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上の写真で、指で指しているのは、ジェットエンジンのスイッチ。他にも各種計測機器が搭載されています。

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ちょっとわかりにくいかもしれませんが、持ち手の部分にもスロットルとかいろいろとついています。

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後方には、消火器も装備されています。

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そして、なんといってもジェットエンジン(二代目)です。

でねでね、ここで八谷さんの口から、まさかの話が出たんですよ!

「その翼のところにつけたカメラは、サイバーショットです。実は、いしたにさんのブログで記事を見て、画質いいなと思って、サイバーショットに決めました」

なにこれ!なにそれ!

あ、そういえば、ツイッターで八谷さんにサイバーショットの画質のこととか質問されたかもしれない!記憶が曖昧だ…。

ということで、おれはすでに「OpenSky」プロジェクトに、少しだけ貢献していたことが、確定しました。おめでとう、おれ。ホントブログに書いておいてよかった。

実際、左側の翼の先に、そのサイバーショットを固定したパーツがありました。

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八谷さんの頭の後方には、お馴染みのGo Proを固定するアタッチもありました。

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そのサイバーショットで撮影した動画も使われているのが「OpenSky3.0 trailer」という動画です。

ホントこれ最高なので、ホント見て。

そして、1枚板のように見えるこの翼問題は、当然M-02Jでも健在です。

斜め上前方から、M-02Jを見ると、ホント一枚板にしか見えない。

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斜め上後方から、M-02Jを見ると、翼が下に向かって折れ曲がっているのがわかりますね。

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また、他にも、この飛行機を実現させるために、八谷さんが見てきた資料や本なども展示されています。

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手に取ってみることができる八谷さんからのサービスコーナーなので、ここもぜひ。

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他にも、体重50kg以下という厳しい体重制限があるフライトシミュレータもあります。

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他にも、HONDA Jetの取材記事や、三菱の取材記事なんかもあったりして、結局ゼロから飛行機を作ろうとすると、日本の航空事情を知ることになってしまうというOpenSkyの面白さを体感できます。

そして、OpenSky3.0には併設展があります。なつのロケット団です。

これがまたいいんですよ。持っている技術を、こういう方向に注ぎ込む大人って素敵ということですね。

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 リンク: 千代田区ホームページ - 平成25年7月4日 八谷和彦 個展「OpenSky 3.0 – 欲しかった飛行機、作ってみた – 」同時開催「すすめ!なつのロケット団」開催のお知らせ.

職業や経歴を超越し、宇宙を目指して集まった仲間達「なつのロケット団」による、「宇宙」を目指す民間によるロケット開発プロジェクトでは、2006年の活動開始以来、団員自らの手で、ロケットエンジンを次々と開発。着実に前進を続けてきました。

本展ではこれまでに打ち上げた機体や、エンジンのテストベッド、実験に失敗して破壊されたロケットエンジン、燃え尽きたカメラ、打ち上げや爆発の映像などを展示します。

なつのロケット (Jets comics)
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宇宙へ行きたくて液体燃料ロケットをDIYしてみた: 実録なつのロケット団 (学研科学選書)
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CASIO デジタルカメラ EXILIM (エクシリム) PRO EX-F1 ブラック EX-F1BK
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例のホリエモンがきたら、打ち上げ失敗したロケットのその後の姿も展示されています。爆発ではなく、あくまでも過剰燃焼ということのようです(笑)。

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さてさて、長くなりましたが、肝心の質問のことを忘れていました。

八谷さんは、なんで飛行機なんて作っているんだろう?

この質問ですが、結局、私は八谷さんには、この質問をしませんでした。

なぜなら、この疑問に答えるのが、この「OpenSky3.0」という個展で、それを見せてもらったことで、どこまで理解できたかはわかりませんが、私としては、なんだかすごく納得したのです。

改めて考えてみれば、八谷さんが作るものは、ポストペットにしても、視覚交換マシーンにしても、いつも何かの概念をひっくり返す骨太なものでした。

その八谷さんが、10年という歳月を費やしたのが、このOpenSkyであって、10年かけるだけの意味がやっぱりあるんです。

飛行機やロケットって、だれかが言ってたんですが、発想としては19世紀に産まれたものなんですよね。そうでなきゃ、リリエンタールを経て、ライト兄弟が初の有人飛行をしたのが、1903年であったことの説明がつかない。

つまり、人類が、動物ではなく、自分の手で肉体を超える移動手段というものを考えだした最初期から、空はそのターゲットになっているんです。

そして、そこから110年経過した21世紀になっても、まだ空はわれわれのものになっていないというでもあるんです。

「風立ちぬ」でも、自分が作りたい飛行機を作る困難さの話が出てきますが、その状況は、今も全く変わっていません。

ということで、もう1回。「風立ちぬ」を見たら、そのまま秋葉原で、今の飛行機のおかれている状況を見てみてください。

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なぜ、今飛行機なのか?

その答えは、人それぞれで違ったものになるはずですが、私は答えを見つけました。みなさんも、ぜひそれを探してみてください。

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投稿:by 2013 08 02 06:24 PM [ガジェット] | 固定リンク

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