みたいもん

トップ > 書評 > ライトなライトノベル「アリスの物語」はシリーズのはじまりの物語として記憶されるべきである

いしたにまさきの新刊:HONDA、もうひとつのテクノロジー ~インターナビ×ビッグデータ×IoT×震災~ 01 それはメッカコンパスから始まったHonda、もうひとつのテクノロジー 02 ~インターナビ×GPS×ラウンドアバウト~ 運転する人をサポートすることHonda、もうひとつのテクノロジー 03 ~インターナビ×災害情報×グッドデザイン大賞~ 通行実績情報マップがライフラインになった日

HONDA、もうひとつのテクノロジー ~インターナビ×ビッグデータ×IoT×震災~ 01 それはメッカコンパスから始まった (カドカワ・ミニッツブック) Honda、もうひとつのテクノロジー 02 ~インターナビ×GPS×ラウンドアバウト~ 運転する人をサポートすること<「HONDA、もうひとつのテクノロジー」シリーズ> (カドカワ・ミニッツブック) Honda、もうひとつのテクノロジー 03 ~インターナビ×災害情報×グッドデザイン大賞~ 通行実績情報マップがライフラインになった日<「HONDA、もうひとつのテクノロジー」シリーズ> (カドカワ・ミニッツブック)

2014.05.19

ライトなライトノベル「アリスの物語」はシリーズのはじまりの物語として記憶されるべきである




Clip to Evernote

このエントリーをはてなブックマークに追加

倉下忠憲さんのこれまでの作品とは毛色?経路?流派?の違う新刊が出ています。

 リンク: R-style  【告知】「アリスの物語」発売になりました&インタビューを受けました.

これで、一応「作家デビュー」を果たしたことになります。ハイブリッド・オーサーですね。

一応、ジャンル分けをするとライトノベルということになるんだと思うんですが、いろんなもののライトなノベルというご理解をしてもらえればいいのではないかと思います。

アリスの物語 (impress QuickBooks)

でね、この小説というのは「正しいパートナーには正しい出会いがある」という物語なんだと、私は思いました。

つまり、勝手な読者である私は、これはマスターとアリスという2人の主人公たちの出会いの物語として、この物語を読んだんです。

だから、私は作品そのものにはなんの不満もないのですが、2つどうしても言いたいことがあります。

1つは、アリスという名前。自分のいわば秘書のような形で振る舞うものにアリスという名前をつけることに文句はないのですが、100を超えるであろう物語のシリーズのヒロインとしては、名前が一般的すぎるということ。

もう2つは、この出会いの物語は、もう少し他のマスターとアリスの物語を読んでから読みたかったということ。

さて、なぜこういうことを言っているかというと、このアリスの物語を読み終わった読後感が、島田荘司の御手洗シリーズの「異邦の騎士」によく似たものであったからです。

異邦の騎士 改訂完全版
4062637707

御手洗シリーズには、もう1つ「数字錠」という短編もあります。

御手洗潔の挨拶 (講談社文庫) ※数字錠が収録されています
4061849433

この御手洗シリーズの2つの物語には、共通する内容があります。

それは、これまでシリーズで一切語られてこなかった。過去の話を描いているものだということ。

そして、この物語がなくても、過去のシリーズ物に悪い影響もいい影響もない独立した作品なのに、シリーズものの中にあることで、輝きを増している作品だということです。

くどくどといろいろと言いましたけど、このマスターとアリスの物語をもっと読みたい、もっとあるはずということを勝手に想像してのコメントだとご理解ください。

さてさて。

この小説は、いきなり発売された小説ではなくて、ここに至るまでの経緯があり、それが公開されている作品でもあります。

そうそう、そういう意味では、ライトノベル作家倉下さんと読者の出会いの作品とも言えますね。

で、実際に本として世にでる前に、2つのすてきな編集の仕事がされています。

まず、最初のすてきな仕事は監修者の藤井太洋さんの手によるもの。

そりゃ、そうです。

なぜかというと、まずは小説が作品として形になっていく過程を見れるということ。

この藤井さんによる、最初の「アリスの物語」に対する添削は公開されています。私はうっかり本編を読み始める前に、これをちらっと見てしまい、あわてて閉じたので、リンク先については、この藤井さんによる添削を見るのは、読んだ後にしましょう。

 リンク: 「ライトなラノベコンテスト」最優秀賞の倉下忠憲さんにインタビューしてみた - INTERNET Watch.

1番大きな指摘が、SF作品であるにも関わらず、SFが弱いというのがありまして。まあ、私はSFを書いたこと自体が初めてなので、当然なんですけど。そこをしっかり描写していこうと思いました。もう1つ指摘頂いたのが、「アリスの物語」というタイトルにも関わらず、アリスがあまり前面に出てこない。それはもったいないな、と。

そして、この藤井さんの添削が、愛あふれるものになっているのは、藤井さんと倉下さんという2人の作家が、テクノロジーに対しての明るい未来ということで通底で同じ認識を持っているからだと思います。

 リンク: 作家になったエンジニア《前編》 …藤井太洋×宮内悠介×大森望 | Matogrosso.

東日本大震災とその後の福島第一原発事故をめぐる報道に対して感じた苛立ち。あまりにも科学技術やサイエンスが蔑ろにされていると思ったあの日の危機感はいまも私の中にあります。科学技術に対して感情的な拒否反応を抱く人たちが増えていくのもわかったし、これではいけない、と。じゃあ自分に何ができる? と考えて行き着いたのが『Gene Mapper』でした。

そもそも、この倉下さんの作品は、ライブドアとインプレスによるライトなライトノベルコンテストで最優秀賞を受賞した作品です。

 リンク: ライトなラノベコンテスト最終結果発表 - ライブドアブログ.

それに藤井さんによる監修と、ぽよよんろっくさんによる表紙イラストがついての発売となっているのです。

で、私が不勉強でぽよよんろっくさんのことを知らなかったんですが、まあこの表紙がすばらしいすごいクオリティです(当たり前です)。

 リンク: ぽよよんろっくとは (ポヨヨンロックとは) [単語記事] - ニコニコ大百科.

本当のところはお察しください。

いやあ、インプレスさんがいい仕事してますよ。

この作家にこの表紙にこのもはや監修という領域を超えた編集、この3つが揃い踏みすることで、この物語に作品の強度が生まれたのだと思います。

だから、これホントなにか形を変えてでもいいので、しつこいですがシリーズ化して欲しいです。

なお、このエントリーで書いたことをライブの感じで聞きたいという方は、ライフハックLiveshow #97 「アリス」で、その話をたっぷりしているので、以下の動画(31分ぐらいから)でどうぞ。

ちなみに、この「アリスの物語」。現在、アマゾンkindleストアで、大バーゲンセール価格の148円です。

ホント、ぜひご一読を。

そうそう、くれぐれも続編でおれにアリス萌えをもっとください。あと、表紙複製原画の販売はいつですか?

ぽよよん・ろっくイラストレーションズ&アートワークス Vol.1
4797370270

ぽよよん・ろっくイラストレーションズ&アートワークス Vol.2
4797371803

渡辺明夫アニメーションデザインワークス
475801258X

« Evernoteのユーザーが1億人!、そしてあたらしいEvernote本セミナー情報のアップデート | トップページ | でんぱ組.inc@武道館のライブ記事反応ともふく古参という視点 »

投稿:by 2014 05 19 03:21 PM [書評] | 固定リンク

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/12272/59669484

この記事へのトラックバック一覧です: ライトなライトノベル「アリスの物語」はシリーズのはじまりの物語として記憶されるべきである:

 
We are bloggers.