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2016.04.14
96冊目「AIの遺電子1巻」、山田胡瓜という作家の誕生を目撃せよ!
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ずっと単行本化を待っていた山田胡瓜先生の「AIの遺電子」。一話完結ものでありながら、毎回ハイクオリティ、というかおちゃらけ回がひとつもないという生真面目さ。
ということで、私にしては珍しく3日かけてマンガを読みました。「バイナリ畑でつかまえて」もすばらしい作品でしたけど、「AIの遺電子」もよかったですねえ。
なんだろう、この感じ。
山田胡瓜先生の作家性という意味では、「バイナリ畑でつかまえて」の方が強く出ている気がするのですが、じゃあ「AIの遺電子」が作品として下なのかというともちろんそんなことはありません。
扱っているテーマがテーマなので、思想的なものとかうっかり考えそうになるのですが、たぶん山田胡瓜先生の興味はそこではないような気がするんですよね。
じゃあ、なんだろう?ということを勝手に考えると、テクノロジーが生活に入ってきたときの生活の柄を描こうとしているのではないかと思うんです。
で、そういうマンガが週刊少年チャンピオンで連載されているというのが、またすばらしいことだと思うんですよ。
だから、ちょっとまだ言葉が整理しきれてはいないんですが、「AIの遺電子」を読み終わった際の期待感というのは、作品への期待感というよりも、やっとこういう作家が出てきてくれたという期待感なんじゃないかと思うんです。
それはちょうど、EPIC2014を作ったロビン・スローンが「ペナンブラ氏の24時間書店」を書いてくれたようなうれしさと同質のものだと思います。
われらが松尾さんもITメディアとbackspace.fmが執拗に紹介しているのも、元同僚で山田胡瓜先生を実際に知っているというのもあるとは思うんですが、作品だけではなくて作家そのものにフォーカスを当てたいというところにあるんだと思います。そして、それは作品にそういう力があるということだと思うんです。
わわわびっくり……! 松尾さんありがとう!!!!:ぼくらはなぜ「AIの遺電子」にこんなにも惹かれるのか (1/3) - ITmedia ニュース https://t.co/V4O6IHNhb0
— 山田胡瓜:『AIの遺電子』4月8日発売 (@kyuukanba) 2016年4月13日
あとね、これもうまく言えないんですが、折り返しの作家コメントに書かれている言葉がねえ、ぐっとくるんですよ。
「1つの読み切りから始まって、気がついたら連載になり、単行本になりました。楽しんでもらえたら嬉しいです。」
こういうパターンの作品に名作が多いというのもあるんですが、「ブログ書いてたら、いつの間にか本にもかかわるようになりました」という経験を持っているものとしても、ここぐっとくるんですよ。
星川さん:そういうこともあり、最初は「読み切りで」という話だったんですが、編集長から「もっと続きないの?」と聞かれたんです。それで山田さんに確認してないのに「あります」と僕が勝手に答え、2話目3話目を描いてもらって(笑)。その2話目と3話目を読んだ編集長が「おもしろい。でもこれ毎週描けるの?」と聞いてきたので、これまた勝手に「描けますよ」と答えまして…
単行本として仕上がったものを見てしまうと、この感じがわからないんですよね。
でも、最初って、どんな書き手もそうだと思うんです。どうなるかわからない状態で手探りで進むしかない。
その勇気が作品に魅力を生むので、こういう話ににはとりあえずのっかるしかないんですよね。最高です。
なお、いかにもKindleに適した作品の内容なんですが、このテーマはそう簡単に古びれる内容ではないので、子供に読ませるために、私は紙で買いました。
このマンガは居間の本棚に並べたい。
あ、でも結局Kindle版も買ってしまいました(笑)。
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投稿:by いしたにまさき 2016 04 14 02:10 PM [1000冊紹介する] | 固定リンク
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