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2016.06.10
107冊目「暗殺教室・20巻」松井優征、作品が長く愛されるために作家がすべきこと
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暗殺教室、大団円のひとつ手前の20巻。
最終巻には、エピローグが入るとすると、物語のピークはここになるはずだと思ってました。
いやあ、まいりました。
泣いた、泣いた。
この20巻を読んでからずっと「せんせー!せんせー!」と、心の中で言い続けています。
暗殺教室は、まだもう一巻あるけど、これはジャンプの歴史に残るマンガです。そして、この物語の連載を成功させたジャンプ編集部やっぱりすごい、すごいとしか言いようがない。
松井優征先生のすごさというのは、いかに終わらせるか?ということに極めて自覚的だということです。
例えば、ジャンプコミックスの背表紙・カバー折り返しにあるコミックスでの作家が言葉を書くコーナー。この20巻では松井優征先生はこんな言葉を残しています。
この巻のラストシーンは連載開始当時からはっきりと見据え、はっきりと目指して来た場面です。
暗殺教室というお話が成功か失敗かはこの177話をしっかり描けるかどうか。そういう構えで連載を続けてきました。
それから、暗殺教室連載前のインタビューですが、こんなことも言ってます。
——物語のサイズをきっちり計算されているんですね。
松井◆2巻なら『バオー来訪者』(荒木飛呂彦)、10巻なら『THE MOMOTAROH』(にわのまこと)、そしてちょうど23巻で『エリア88』(新谷かおる)といった、理想とする終わり方がいくつかありましたので。例えば『エリア88』は、本当に見事な計画性とブレない軸がある中で、山あり谷あり…と構成された作品だと思うので、それと同じ巻数で終われたというのは、個人的には光栄なことです。
そう、これなんです。
物語のサイズがちゃんとしていて、ちゃんと終わった作品というのは、長く愛される作品になるんですよ。
エリア88なんて、連載終了1986年ですよ!でも、まだみんなエリパチで遊んでます。
暗殺教室が、どれぐらいの長さ愛される作品になるかはわかりませんが、近年まれにみる作品であったことだけは言い切っていいと思いますし、それは結局作家の姿勢から生まれているんですよね。
ホントすごい。
さあ、あと1巻かあ。ネタバレ禁止な(笑)。
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投稿:by いしたにまさき 2016 06 10 03:41 PM [1000冊紹介する] | 固定リンク
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